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【新春インタビュー】世界王者セバスチャン・フェッテル(前編)


2011-1-1 0:40
ーーアブダビGPでチャンピオンになってからはどのように過ごしましたか?
「レースの後すぐにお祝いをして、そのまま寝る時間もなく飛行機に乗ってオーストリアのザルツブルグに飛んだんだ。そこでものすごい歓迎を受けて、質問攻めにあったよ。で、ちょっとしたパーティをしてその夜は終わり。翌日はミルトンキーンズに飛んで、同じようなイベントがあった。でもチーム全員でのお祝いだったからね、本当にスペシャルだった。ファクトリーで働く彼らこそ、2010年の成功を支えてくれたカギだったんだからね」

「水曜の夜にはテストのためにまたアブダビに戻ってきた。飛行機に乗ってうたた寝をしたり起きたりの繰り返しで、自分がどこにいるのかわからなくなっちゃったけどね(笑)。大変だったけど、でもたった数日の間に大勢の人たちをハッピーにできたんだなって実感することができて良かったよ」

「決勝が終わった後、エンジニアやメカニックたちと一緒にレースの最後15周の映像を見直したんだ。スタッフたちがすごく緊張した表情をしていたり、クリスチャン・ホーナーが貧乏揺すりをしていたりして、すごくヘンな感じだったよ(笑)。僕の方は、あの時点では、自分がタイトルを獲るなんて思ってもいなかったからね」

ーーマーク・ウェバーと話す時間はありましたか?
「レースの後、僕らはじっくり話し合ったんだ。彼が僕におめでとうと言いに来てくれて、そこで話すことができた。シーズンを通して僕が困惑するようなことが何度もあったし、彼にもあった。でも誤解をただしておかなきゃいけなかったんだ」

「話し合って、相思相愛になったとは言わないよ。僕らの間にゴタゴタがあったのには理由があったわけだしね。でも僕らはお互いに相手を尊重しているし、良い基礎はできているよ」

ーー史上最年少の世界チャンピオンになりました。
「僕にとってはあまり重要なことじゃないんだ。重要なのは、自分たちが成し遂げたことそのものの方だ。つまり、いくつも優勝し、チャンピオンになったということ。この先どんなことが待ち受けているかなんて、誰にも分からない。でも今は、自分が成し遂げたことにすごく満足しているよ。確かに僕はF1でも歳をとっている方じゃない。歳をとっていくに従って戦うのが大変になっていくのかどうか、それは僕にはまだ分からないしね」

「外から見れば僕のキャリアはものすごい勢いで加速していったように見えるかもしれないけど、僕としては一歩ずつ一歩ずつ進んできたつもりなんだ。ひとつひとつ自分がやるべきことにアプローチして、自分のポジションをしっかりと見詰めながら着実に進んできた」

「もちろん、F1がどういうものかは分かっているよ。モータースポーツの最高峰で、ものすごい速さで状況が変わっていく。全てが不条理に見えるだろう。でも、数日前にふと思ったんだ。自分がテレビでF1を見ていたのは、どのくらい前のことだっただろうってね。でも僕はもうF1の一員だし、テレビで見ているわけにはいかない。テレビでF1を見ていたのはそんなに昔のことじゃないのに、今じゃ僕が世界チャンピオンなんだからね。本当に、信じられないね!」

ーーチャンピオンを決めた後、ウイニングラップはどんな気持ちでしたか?
「あの時はとても幸せで、色んなことを思い出していたんだ。あんなに頭の中がぐちゃぐちゃになる感情は、言葉では表現できないよ。それまでの思い出が走馬燈のように駆け巡って、誰にもその夢から起こすことなんてできないんだ」

(後編に続く)

(text by Mineoki Yoneya / photographs by Red Bull Racing)


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 なんだかんだで以前からフェッテル推しだったF1SCENEですから、2010年の総まとめとなるvol.4ではチャンピオン獲得を決めた彼の奇麗な写真が満載。素敵な写真を堪能し、あの感動と興奮にもう一度でも何度でもひたりたい方にオススメです。もちろん、フェッテル以外の写真もたくさんありますので、ファンじゃない方もご安心を。
 よねやんが執筆したテーマ文は「未来へ」。新しい時代を生み出すのは強い信念。今季のF1を戦った彼らのそんな強い思いが描かれています。

 






 

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