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【2011年新車解説】フェラーリF150「イタリアの誇りを背負いタイトル奪還へ」


2011-2-7 0:13

 
 フェラーリのF1史上57台目のマシン、開発時のコードネーム662は、イタリア統一150周年を記念して『F150』と命名された。その思いを象徴するように、ルカ・ディ・モンテツェモロ会長の信念に基づきこの20年間ずっとマシンに添えられてきたイタリア国旗のトリコロールが、F150ではリアウイングに大きく描かれることになった。ポッドフィンにも150周年記念の由縁が記されている。

「リアウイングに描かれたトリコロールにお気づきになったでしょう。我々はイタリアを代表する企業であり、全員がそのことを非常に誇りに思っている。この国が一体となることが非常に大切だと思っている。このトリコロールとF150という名前は、我々のイタリアへの愛情とF1への思いを込めた素晴らしいメッセージであり意思の表われだと言える」(モンテツェモロ)

 技術面に目を向ければ、F150は前年型F10と同じコンセプトに基づいて開発された正常進化型であるものの、2011年の各種レギュレーション変更に対応する形で各部が大きく見直されている。とりわけリアエンドはダブルディフューザーが禁止されたことを受けて「白紙から設計し直した」(アルド・コスタ)というほどに刷新され、それと呼応する形でフロント部分もリアに向けた気流制御の手法がやや変更されている。コスタは「外観は前年型に似ているが、技術的には非常に大きく異なっている」と語る。

「ダブルディフューザーとFダクトが禁止されたので、リアは完全に白紙から設計し直した。それが一番大きな変更点だね。結果的に、プロジェクト全体をゼロから検討し直すことになった」

 フロントウイングは昨年後半戦仕様のうち、フラップが上下2枚に別れたハイダウンフォース仕様がそのまま装着されている。多くのライバルたちと同様に、フェラーリは暫定仕様の空力パッケージでF150を完成させ、まずはバレンシアとヘレスのテストでピレリタイヤの学習とメカニカル面(サスペンションやKERSなど)のテストを進める方針だ。それゆえに空力パッケージはまだコンサバティブなものであり、現状のマシン外観は開幕戦までに大きく変化することになる。

「今日のクルマはまだ第1ステップでしかない。バーレーンでは全く異なるクルマを目にすることになるだろう。テストではまずマイレージを稼ぎ、信頼性を高めること、そしてピレリタイヤを学ぶことだ」(ステファノ・ドメニカリ代表)

「開幕戦のギリギリ直前まで開発を続けて行く。今も風洞では最新のパーツのテストが進められているんだ。フロントフラップ、リアフラップ、リアサスペンションなどだ。今のこのマシンはまだ第一歩でしかなく、開幕戦までには見た目的にも性能的にもさらに大きく進化するよ」(ニコラス・トンバジス)

(続きは『フェラーリF150(Technical File 2011 LAUNCH EDITION)』にて)


 text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2

 

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