トルコGPはヨーロッパラウンドの開幕戦となっただけに、各チームがこぞって大型のアップデートを投入してくるかと思われていたが、実際には細かなアップデートが中心で、マクラーレンのようにほとんど進化が見られないチームもあった。大きなアップデートを施してきたのはフェラーリとトロロッソくらいで、それ以外は小さなものに留まった。
その理由とは、イスタンブールパークが空力パーツの評価に適していないからだ。サーキット特性としては空力性能が重要だが、各チームの蓄積データが充分でなく、ここで新パーツを投入してもその真価が正確に把握できないというのがネックになったようだ。それよりも、次回のバルセロナでアップデートを投入して過去の豊富なデータを元に正確な評価を期したいというわけだ。
そんな背景があったため、トルコGPに間に合った新パーツはいずれも、あくまで事前評価というかたちで金曜フリー走行(ドライになった午後のセッション)で一通りの実走行テストが行なわれた程度だった。フロントセクションをガラリと変えてきたフォースインディアも、バルセロナの正式投入を前に実走テストを行なったに過ぎなかった。
しかしそんな中でも下位チームが着実にマシンアップデートを投入してきたことには注目すべきだろう。ヴァージンやHRTがこの段階で開発部品を投入してきたことは、下位の争いが激しいものになっていることを物語っている。トルコGPの予選ではHRTがヴァージンを上回るなど、その勢力図にも少しずつ変化が見え始めている。
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(text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2, La Vie Creative)