多くのチームがここスペインがヨーロッパラウンドの本格的な開幕と位置づけ、シーズン最初の大きなアップデートを投入してきた。ただしその多くはトルコの金曜フリー走行で試験投入されたものでもあった。
スペインGPで最大のアップデートとなったのはマクラーレンで、チームによれば15にも及ぶ新パーツが投入されたという。その全ては明らかになっていないが、フロントウイングのフラップ、サイドポッド形状、排気管、そしてさらにギアボックスとリアサスペンションにまで及んでいたようだ。空力性能が問われるサーキットゆえ予選でこそレッドブルとの差は縮まらなかったが、決勝ではハミルトンがフェッテルと好勝負を演じた。
不振脱却を目指すフェラーリも続々と新パーツを投入。トルコでマッサ車に搭載してデータ収集を行なったフロントウイング、ディフューザーに加えてリアウイングにも新型を投入してきた。しかしライバルとの差は縮まるどころか広がり、むしろ空力開発の遅れが露呈する結果となった。
ここへ来て開発の停滞が見え始めたルノー、メルセデスGP、そしてウイリアムズは苦戦を強いられ、逆にザウバーが上位との差を縮め始めている。これからのヨーロッパラウンドでは、しばらくはこの勢力図のままで戦いが進むことになるはずだ。
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(text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2, La Vie Creative)