●愛されキャラ・フェッテルのすごさ 去年のここアブダビで初のチャンピオンになったセバスチャン・フェッテル。今年は2度目の王座を決めてここに戻ってきたわけですが、「どう変わった?」と聞かれると「う〜ん、髪が短くなった?(笑)」とおどけながらも、「人間としてはどうだろう? 年を取ったなぁとも感じるし、大きく変わったとは思うけど、今もハングリーだよ!」。
今シーズン11勝も挙げているのに、決勝で1周目にタイヤがパンクしてピットに戻ってくると、ステアリングを叩いて悔しがったり、ちょっとやそっとじゃマシンから降りなかったり、マシンから降りてもなんとか修理してコースに戻れないのかとチームスタッフに懇願したり、こういうレースに対する姿勢は本当にすごいなぁと思います。
木曜にはゆっくりと時間をかけてサーキットを歩き、縁石のチェックをしたり、ライン取りやオフスロットルブローの使い方などをエンジニアと相談したりと、レースに対する真摯さは誰よりも深い。なおかつ、FP-2でクラッシュした後にはメカニックのひとりひとりに声をかけて回るなど、性格も良くて愛されキャラ。
リタイアした後もピットウォールでレースを見届け、TVカメラが待ち受ける取材エリアにもレース後にきちんと姿を見せて取材に応える。性格も良くて仕事もできるから、パドックで誰からも愛されるセバベなのだということを、改めて感じさせられたアブダビGPでした。
●アブダビがゲストに人気な理由 アブダビにはヨーロッパからのお客さんが大勢いらっしゃいます。寒〜いヨーロッパから暖かいアブダビへ来てバカンスを楽しみたいというゲストも多くて、パドックも人でごった返しています。
暖かいのも良いですが、アクセスも良いんですよね。6時間ほどの1フライトで来られるのも良いし、空港からすぐそばだというのも良いところ。さらにはホテルがサーキットのそばにあって、歩いて通える。
アロンソくんも「韓国だのインドだの、フライトは長いし空港からも遠いところばっかりだったけど、ここはホントにアクセスが楽で良いよね〜」と言っていました。毎朝ヤスホテルのプールでのんびりして良い気分だそうです(笑)。
●ライコネンの発表なし 今週末に発表されると噂されていたキミ・ライコネンのF1復帰ですが、やはりポシャりましたね。フランク・ウイリアムズ御大も来ていたし、パトリック・ヘッドも現場に来ていたけど、結局のところあの噂はスポンサーへのアピールだったのでしょう。テクニカルディレクターだったサム・マイケルが離脱してマクラーレンにいっちゃったので、大御所2人が来ていたのは現場を引き締めたいという意味合いもあったんでしょうね。
某インド系チームのセカンドシートが決まって、追い出された人は上位チームのリザーブになるか、中堅チームのレースシートを獲るかという噂も聞こえてきましたが、残る空席はルノー、ウイリアムズ、トロロッソくらいで、残り3〜4席しかないので、この辺の残留争いも熾烈になってきそうです。
(text and photo by Mineoki Yoneya)
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パドックのF1関係者たちの間で話されている旬の話題とは? 真面目な話からバカ話まで、他では知ることのできない彼らの本音を、生々しくお伝えします。TV中継では映らない“コース外”の様子、雑誌や普通のウェブサイトには書けない実状を、お楽しみください。
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