●ライコネンのチームメイトはなんとグロージャンに! ルノーは結局、キミ・ライコネンのチームメイトとしてロマン・グロージャンを起用しましたね。先週の予想は見事に外れてしまいました(苦笑)。ルノー本社からどれだけプッシュがあったのかは分かりませんが、ジェラール・ロペスが率いるマネージメント会社の傘下にいるドライバーであることには違いなかったのですが……。
ひとつ言えることは、2011年のGP2チャンピオンである彼を、きちんとF1に乗せたいと考える人々がいたということでしょう。折しもGP2は、GP3から続くF1へのステップアップカテゴリーとして、他カテゴリーを駆逐しようとしているところ。GP3王者のバルテリ・ボッタスはGP2へ参戦させ(ウイリアムズのサードドライバーでもあります)、GP2王者はF1へ、という筋道は明確にしたいわけです。昨年も同様に、各カテゴリーのチャンピオン(パストール・マルドナドとエステバン・グティエレス)はそれぞれF1とGP2にステップアップしています。
「そう考える人々」というのが誰なのか? バーニー? もちろんそうでしょう。でもそれだけじゃないでしょうね。ヒントはGP2は元ルノー(マイルドセブンの頃の)の面々が中心になって運営されている組織だということ。そう考えると、バーニー亡き後のF1の姿もチラチラ見えてくるような気がします……。
●レッドブルとフェラーリ離脱で、FOTAが崩壊? ここにきて突然、FOTAが崩壊し始めました。レッドブル、フェラーリが離脱を表明し、さらにザウバーも離脱、おそらくトロロッソもと言われています。
その要因と言われているのが、RRA(リソース規制協定)です。簡単に言うと、年間予算や人員をどんな分野にどれだけ配分するか、ということを細かく規制しようというのがRRAで、これをあくまで全チームの紳士協定としてやるというもの。
コスト削減が重要であることはどのチームも重々承知してはいるものの、やはり予算が潤沢なチームにしてみれば「あるのに使って何が悪い?」という面もあります。また、監視する機能がないため、実際に守られているかどうかは各チームの自主性に任せるしかないという問題もあります。あるチームの代表は「会社である以上、会計情報を開示しろと言われればするしかないのだから、いつでも確認は可能だ」と言っていましたが……。
また、トータルの予算額の問題だけではなく、どこにどれだけ使うか、例えば風洞の使用を控えてそのぶんCFDに回すといったような年間計画を入念にたてねばならないため、今年のフェラーリのように例えば風洞に大きな問題が起きた場合などは対応が難しくなるという課題もあります。2012年はブロウンディフューザーが禁止になるのですが、そのオフスロットル時の排気コントロールについてはまだ明確な合意ができておらず規則がクリアになっていないこともあり、そういった面で疑心暗鬼になってもいるのかもしれません。
カスタマーチームのザウバーやセカンドチームのトロロッソとしては、親玉が抜けると言えば逆らうことはできない状況なのでしょう。そういえばブロウンディフューザー騒動のイギリスGPの時もそうでした。
過去にはウイリアムズがFOTAを離脱したりといったこともありましたが、F1の中心にいる2チームが離脱すれば、彼らが活躍してもしなくても問題になりかねません。問題の早期解決を祈るばかりです。というか、取材する側の我々としても、政治関係のネタは取材しても原稿を書いても、決して楽しいものではありませんから……(苦笑)。
(text by Mineoki Yoneya / photo by Wri2)
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