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2012年シーズン最速は誰だ!? 開幕直前テスト、戦力徹底分析。


2012-3-11 17:54

「テストで実力は見えない」は真っ赤なウソ?
 2012年の開幕間を前に3回の公式合同テストが行なわれ、最も気になるのは当然、どのチームのニューマシンが最も速いのかということだ。

「テストはしょせんテストでしかない」

 ドライバーやチーム関係者はそう口にし、テストでのタイム比較には意味がないという。実際、燃料搭載量にはフルタンクからガス欠寸前で150kgもの開きがあり、これはラップタイムにして約4.5秒にもなる。タイヤもピレリからは4スペックが供給されており、各スペック間には0.4〜0.5秒差があり、つまりスーパーソフトとハードでは1発アタックのピークパフォーマンスに1.2〜1.5秒の差が存在することになる。コンディションの違いもある。

 確かに純粋なパフォーマンス比較を正確に行なうことは難しいが、それでもラップタイムを見れば各マシンのパフォーマンス傾向が見えてくるのは事実だ。

 特に注目すべきは、実際の決勝状況を想定して行なわれるレースシミュレーション。バルセロナは実際にグランプリが開催されている場所であり、各チームはスペインGPと同様に66周のレース距離連続走行を、実際のピットストップとタイヤ交換まで含めて、決勝スタート時刻と同じ午後に行なう。午前のセッションでは予選のシミュレーションも行ない、そこで使用したタイヤを使ってスタートするという本格的なものだ。

 ここでどのようなデータを収集しレース本番に役立てようとしているかといえば、最大の要素はレース状況でのタイヤ傾向だ。つまり、どのようなセッティングとどのようなドライビングをすれば、どのようにタイヤがタレていくのか。逆に言えば、タイヤを保たせつつ最大限の速さを発揮するためにはどのようなマシンと走り方に仕上げれば良いのか。

 それをここまでのテストで得たデータを元にシミュレーションし、弾き出した“回答”を実際に試している。それがレースシミュレーションだ。

 つまり、このレースシミュレーションのラップタイム推移を見れば、各チームのマシンとセットアップの仕上がりが如実に見えてくることになるというわけだ。

 もちろん、実力を隠すために三味線を弾くこともある。DRSやKERSの使用・不使用によって、実際よりも速く見せることもできる。しかし、使えないデータを収集しても意味はないのだから、どのチームもかなり真剣に取り組んでいることもまた事実なのだ。

今季の各チームのテストプログラム
 年間の公式テストは19日間と決まっている。これまではそれをフルに使って開幕前に4回の合同テストが行なわれていたが、今年は5月のヨーロッパラウンド開幕前に合同テストを行なうため、開幕前はヘレス(2月7日〜10日)、バルセロナ(2月21日〜24日)、そしてバルセロナ(3月1日〜4日)の3回のみに削られた。

 今年の上位チームのテストプログラムの主流は、ヘレスで新車の動作確認とデータ収集を行ない、シミュレーションで弾き出したセットアップを次のバルセロナで微調整した上で早々にレースシミュレーションを開始するというパターンになった。開幕戦向けの新パーツの投入は最後のテストまで持ち越し、まずは基礎的なデータ収集をしっかりとやるというわけだ。

 ここで仕上がりの良さを見せたのはレッドブルとマクラーレン。順調にマシンを煮詰めて2日目にはレースシミュレーションを敢行してトラブルなく走破してしまった。それも、なかなかのハイペースだ(右グラフはバルセロナ合同テスト1週目)。

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(text by MIneoki YONEYA)


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それをグラフ化したうえで、現地取材に基づいて徹底分析します。

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【目次】
「テストで実力は見えない」は真っ赤なウソ?
戦略が別れた今季のテストプログラム
レースシミュレーション分析、レッドブルVSマクラーレン
タイヤの扱いに苦しむザウバー
デグラデーション改善のメルセデスAMG
フェラーリの不振、白日の下に。レッドブルに1秒以上の差
注目のタイトな中団争い、ザウバーはそこから一歩抜け出ている?
1発アタックのピークパフォーマンス比較
テスト分析総括、大激戦のシーズンに

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