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スクーデリアとは似て非なる部門

可夢偉、F1部門でのさらなる展開も

2013-3-12 3:43


 小林可夢偉のフェラーリ入りが発表された。3月11日時点で明らかにされた具体的な情報は、準ワークスのAFコルセからWECに参戦するということのみ。しかし、この先にはさらなる展開が待っていそうだ。

 そもそも、コルセ・クリエンティ部門とはGT選手権やスポーツ走行を行なう顧客用の部門であり、F1活動を行なうスクーデリア・フェラーリとは全くの別部隊。そこのドライバーの発表に、F1部門の長であるステファノ・ドメニカリが握手して登場しているのは、大いに違和感があるのだ。かつてのホンダを例に挙げれば、あるドライバーがスーパーGTでNSXに乗ることが決まったと発表する際に、ロス・ブラウンやニック・フライが登場したりはしないのと同じことだ。

 そもそも、小林可夢偉のマネージメントを委託されて代理人として活動してきたマリオ宮川は、昨年末以来F1チームのテストドライバー職を前提に交渉を続けてきていた。当初は1月中にもと語っていた発表は、2月のAFコルセテストを経てF1開幕直前のこの時期までずれ込んでしまったことからも分かる通り、裏側では様々な条件面や今後のレースシート獲得に向けた思惑も絡み、大詰めの交渉が難航していたようだ。

 フェラーリからの発表では、WEC参戦の報告であるにもかかわらず「スクーデリア・フェラーリの一員」と敢えて表現されており、ドメニカリとの握手から見ても、コルセ・クリエンティ部門からのWEC参戦だけでない、スクーデリア・フェラーリつまりF1部門との何らかの進展が期待できそうな様子だ。今回のWEC参戦発表は、"ひとまず"このタイミングで発表されたものだと見るべきだろう。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Ferrari)


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