3月24日日曜日、12時15分にレース2のスタートが切られた。空は暗く、小雨がパラつき始めるが、路面が濡れるところまでは行かない。
レース1の上位8台のリバースグリッドから、各車がハードタイヤで無交換を前提にスタート。
6番グリッドのステファノ・コレッティは、抜群のスタート加速でターン1の大外から回って一気に首位に立った。フェリペ・ナセル、ミッチ・エバンスはこれに続くが、リバースポールのステファン・リケルミが3番手を死守した。
1周目のターン4手前で、イン側にラインを変えようとしたジェームス・カラドはブレーキングポイントを誤り、前のファビオ・ライマーのリアに接触。そのままイン側のグリーンにコースオフし、ほとんど減速できないままターン4のエイペックスに突っ込んでジュリアン・レアルのリアにクラッシュ。さらにそのアウト側にいたサム・バードの右リアにも接触し、3台はここでリタイアとなった。カラドにはこの事故の責任を負うかたちで次戦10グリッド降格の重いペナルティが科せられた。
ここからレースは首位コレッティ、2位ナセル、3位リケルミ、4位エバンスの順で膠着状態に入る。基本的にピットインはなく、タイヤをいたわって22周を1セットで保たせるレースだからだ。
リケルミは徐々にタイヤのデグラデーションに苦しみ始め、16周目の最終コーナーでタイヤをロックさせ、エバンスがインに飛び込んでパス。GP3チャンピオンのエバンスは、新人であるにも関わらず初戦ラウンドで早くも表彰台を獲得してみせた。
「昨日の第1レースではタイヤに苦しんだけど、昨夜マシンのセットアップを変えたおかげで問題が解明できたんだ。今までで最高のスタートも切れたし、ターン1に来たら誰もいなかったから、普通にブレーキングしてアウトから行って、ターン2でインに入った。そうやって首位に立てたんだ。そこから3〜4周はハードにプッシュしてギャップをつくって、あとは昨日みたいになりたくなかったからタイヤをセーブしたよ」(コレッティ)
マレーシアラウンドの2戦を終えて、コレッティがランキング首位、ライマーがランキング2位となった。一発の速さとタイヤマネージメントの両方に優れる者が上位にくるシーズンになることは間違いない。
今季のGP2は車両が3年目を迎えたこともあって各チーム間の差は非常に小さく大接戦になっている一方で、ドライバーの差が明確に出る状況になっている。だからこそ、カラドやバード、マーカス・エリクソンのように自滅でチャンスを失うことは非常に大きな痛手を負うことになる。チャンピオンシップを争うためには、絶対に避けなければならないミスだろう。
(text by Mineoki YONEYA / photo by GP2)