5月11日、スペインGP予選が行なわれニコ・ロズベルグがポールポジションを獲得した。前戦バーレーンGPに続いて2戦連続のポールとなるが、前回は決勝でズルズルと後退しただけ「注意深くいきたい」とロズベルグは語った。予選で突然の驚速を見せたメルセデスAMG勢だが、2位に終わったルイス・ハミルトンは「とにかく今日のニコが速かっただけ」と完敗を認めた。
午前中のフリー走行ではフェリペ・マッサがトップタイムを記録。メルセデスAMG勢は中団に沈んでいた。しかしメルセデスAMG勢は早いタイミングで最後のミディアムタイヤでのアタックを行なっていた。メルセデスAMGは空力パッケージのアップデートによりダウンフォースを増大させると同時に、予選ではライバル勢よりも派手なリタード点火エンジンマップによってエキゾーストブロー効果を得ており、その効果が大きいものと思われる。ロズベルグも「ダウンフォース量やエキゾーストブローによる効果、トラクションの向上が感じられた」と語っている。
しかしメルセデスAMGは「レースパフォーマンスという点でライバルたちに後れを取っている」とロズベルグが語る通り、決勝には不安を抱えている。特にタイヤに厳しいバルセロナでは、グレイニングが激しく出てデグラデーションに影響を与える。
「ひとたびグレイニングが出てしまえば、失うものはとても大きい。来るのを1周でも遅らせることができれば、レースにはすごく大きな影響を与えることができるんだ」
バルセロナではポールポジションからスタートしたマシンが勝つ確率が非常に高いことで知られているが、今季はそうならないのではないかと見られている。タイヤのデグラデーションがレースを大きく左右するからだ。メルセデスAMGの逃げ切りが実現するか、レッドブルが逆転を見せるのか、はたまたタイヤに優しいロータスやフェラーリが勝つのか。それはレースの蓋を開けてみなければ分からない。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)