第6戦モナコGPの舞台、モンテカルロ市街地サーキットを、マーク・ウェバーに解説してもらった。昨年と2010年に優勝している彼は、モナコは精神的に非常に厳しいサーキットだと語る。

「モナコは本当に特別なサーキットだよ。もちろん、ここには本当の高速コーナーはひとつもない。でもマシンを完璧にコントロールしなければならない難しいコーナーはいくつかある。特にカジノもそうだし、スイミングプールもそうだ。そういう場所では良いリズムに乗って走ることがすごく重要なんだ」

「設計された時期を考えても、その時代からほとんど変更が加えられていないことを考えても、オールドサーキットだ。僕が初めてF1で走った頃に較べれば少し簡単になったけど、マシンとドライバーの力量が試されるサーキットであることに変わりはない。他のドライバーと戦っていても、そんな感じがしないんだ。常にサーキットの方がもっと多くを自分に求めてくるからね。でも自分の限界を超えてしまえばクラッシュしてしまう。メンタル的な意味で本当にとてもチャレンジングなサーキットなんだ。体力的には普通だけど、常に自分の心をきちんと制し続けなければならない。それがモナコのチャレンジだね」

「トップを走っていても、優勝を確信できるのは78周目の最終コーナーを抜けた時だ。それがモナコなんだ。1982年のモナコを見ていたんだけど、アラン・プロストがレースをリードしていたにもかかわらずスピンしてクラッシュしてしまった。先を急ぎすぎてはいけないし、そうすれば失敗することになる。最後の最後まで分からないのがモナコなんだ」

（text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2）