5月23日、モナコGPのフリー走行が行なわれ、午前・午後ともにニコ・ロズベルグがトップタイムを記録した。ルイス・ハミルトンもFP-2では2番手につけ、メルセデスAMG勢が下馬評通りの速さを見せつけた。
晴天のもとで各チームは新パーツの効果を確認する作業を行ないつつ、タイヤマネージメントに主眼を置いたデータ収集走行に専念した。抜きにくいモナコでは通常のレースよりも予選順位の重要性が増すものの、タイヤの摩耗とデグラデーションも依然として最重要課題となる。
最多周回数ランは、やはりタイヤに不安をレッドブルとメルセデスAMGで、26周。1分20秒台から始まって19秒台〜21秒台で留まるなど、デグラデーションレベルは決して悪くない。むしろ課題は摩耗で、この2チームのタイヤはかなり際どいところまで摩耗が進んでいたようだ。完全摩耗すればクリフが訪れラップタイムは突然大きく落ちることになる。
フェラーリは19周、ロータスは15周のみに留まっており、デグラデーションの傾向には大きな違いはない。摩耗的には上記2チームより優れているが、いずれにしてもスーパーソフトがこれだけ持つことから、2回以下のピットストップで走りきれるだろう。
路面の向上幅によっては1回ストップになる可能性も充分にあるとピレリは分析している。現時点ではスーパーソフトとソフトの間には1秒程度のパフォーマンス差があるが、路面の向上によってこの差は小さくなる可能性が高い。
今回こそはメルセデスAMGが予選から決勝まで完全勝利を収める可能性もある。FP-1ではハミルトン車のフロントタイヤにセンサーを取り付け、スペインGPで問題となったグレイニングの対策にも乗り出していた。
なお、午後のセッションではロマン・グロージャンがターン1でクラッシュしてフロント周りを壊す場面もあり、プールサイドシケイン入口の縁石をとめるボルトの破損で赤旗も出たが、大きなアクシデントはなく初日のセッションを終えている。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)