7月7日、ドイツGP決勝はセバスチャン・フェッテルが優勝した。地元ドイツGPで初の優勝、7月に勝利を収めたのも初めてのことだ。
ポールポジションのルイス・ハミルトンはスタート加速が鈍く、2位・3位グリッドのレッドブル勢にあっという間にかわされる。マーク・ウェバーはアウト側から前に出るが、イン側のフェッテルが首位を守ってレース序盤をリードする。その背後にはハミルトン、キミ・ライコネン、ロマン・グロージャン、フェリペ・マッサと続く。
3周目のターン1でマッサがリアタイヤをロックさせてスピン。ギアが5速にスタックしエンジンが止まってしまいリタイアを余儀なくされた。
ハミルトンは激しいタイヤのデグラデーションに苦しみ、6周目にピットストップ。フェッテルも7周目にピットインし、ウェバー、ライコネンらも続々と続いた。12周目にはアロンソ、13周目にはグロージャンもピットインし、首位はフェッテル、2位にグロージャン、ミディアムタイヤでスタートしピットストップを行なっていないバトンとヒュルケンベルグを挟んで5位ハミルトン、6位ライコネンの順となった。
22周目にハミルトンがピットインした直後、ジュール・ビアンキがエンジンをブローアップさせてストップ。最終シケインに向かう坂道であったためにマシンが独りでに動き出しコースを横切る事態となったため、セーフティカーが導入された。
これを見て上位勢は一斉にピットイン。首位フェッテル、2位グロージャン、3位ライコネン、4位アロンソの順で30周目にレース再開となった。
フェッテルはファステスト連発でギャップを作るが、35周目頃にKERSトラブルに見舞われ、ロータス勢とのギャップが一気に縮まる。しかし抜ききれないグロージャンはアンダーカットを試みるために40周目にピットインしてミディアムタイヤに交換する。しかし翌周にフェッテルもカバーに入り、グロージャンの前でコースに戻った。一方、これを見たライコネンは49周目まで引っ張りソフトタイヤに交換。3位でコースに戻るが、ソフトタイヤのペースを生かして猛追し、55周目に2位グロージャンの前に出て、さらに首位フェッテルを追う。
最終ラップにはDRS圏内に入ったものの、わずかに届かずフェッテルが逃げ切って地元優勝を飾った。ライコネンは2位、グロージャンは同じくソフトタイヤで追いかけるアロンソを振り切って3位表彰台を手に入れた。
ミディアムタイヤでスタートしたバトンは6位、ヒュルケンベルグは10位でポイントを獲得。ウェバーはセーフティカーでのラップダウン挽回もあって7位まで浮上した。予選最速のメルセデスAMG勢は5位・9位と不本意な結果に終わっている。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)