7月28日、ハンガリーGP決勝は
ルイス・ハミルトンが
ポールトゥウインを飾った。今季メルセデスAMGに移籍して以来初めての優勝となった。
ハミルトンはまず懸念の
スタートで好加速を見せ、首位を堅守。逆にダスティなイン側グリッドの2位
セバスチャン・フェッテルはやや加速が鈍く、左からは3位ロマン・グロージャン、右からは4位ニコ・ロズベルグに並ばれる。しかしフェッテルはグロージャンの側へ際どい牽制を見せ、なんとか2番手を死守した。
続くターン2では
フェルナンド・アロンソがアウト側からレイトブレーキで一気にロズベルグの前へ。ロズベルグはターン3でワイドになると、ターン5でインにいたフェリペ・マッサに接触してコースオフし、12番手まで大きく後退してしまった。マッサは右フロント翼端板を失ったが、僅かなアンダーステアのみで走行継続が可能だった。
首位ハミルトン、2位フェッテル、3位グロージャンのトップ3が僅差で争い、4位アロンソは着いていけない。9周目にハミルトン、11周目にフェッテル、12周目にアロンソ、13周目にグロージャンがピットインするが、前後関係は変わらず。ただし
ミディアムタイヤでスタートしたマーク・ウェバーが首位、ジェンソン・バトンが3位に浮上した。
5位
グロージャンは4位フェッテルを猛追。しかし追い抜くまでには至らない。24周目には2台ともにタイヤが古くなったバトンに追いついてこれをパスしたが、グロージャンはターン6のブレーキングで並びかけた際に幅寄せしすぎて
接触。レース後の審議で
ドライブスルーペナルティが科せられ、結果に20秒加算となった。25周目のピットストップの後、29周目にはターン4でフェリペ・マッサをオーバーテイクした際に
コースをはみ出たと判断され、レース中にもドライブスルーペナルティを科せられて後退した。ウェバーは23周目、バトンは24周目にピットインし、3ストップ勢の前は開けた。
ハミルトンは2位フェッテルに約12秒の差を付けた31周目に2回目、50周目に3回目のピットストップを行ないながら、タイヤのデグラデーションを抑えるために
ペースをコントロールしながら走行。それでも後続は追いつけない。フェッテルは34周目にピットインし、再びバトンに引っかかる。前方には、
2回ストップ作戦で引っ張る
キミ・ライコネンが2位に浮上してきた。
ライコネンは42周目にピットインしいったんはポジションを下げるが、47周目にグロージャン、48周目にアロンソ、55周目にフェッテル、59周目にウェバーがピットインし、再びポジションを2位まで挽回。ライコネンは
フェッテルから猛追を受けたが、曲がりくねったハンガロリンクで追い抜くまでには至らず、2位を守り切ってチェッカーを受けた。後方でアロンソを猛追したグロージャンも追い抜くまでは至らず6位でフィニッシュしている。
ハミルトンは新型タイヤのテスト不足でデグラデーションの不安を抱えながらのレースだったが、後続との直接対決を避けられたことでペースコントロールが上手くいき、ついに待望の今季初優勝を手に入れた。予選での速さに加え、このタイヤに過酷なハンガロリンクで決勝での強さも証明してみせたハミルトンは、ポイントランキングでも4位に浮上。
シーズン後半の主役の一人になることは間違いなさそうだ。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)