ベルギーGPは再びタイヤ問題が首をもたげている。セバスチャン・フェッテルのタイヤがバーストに見舞われたが、それ以外にもタイヤのトレッド面に問題が生じているチームが複数存在した。
ピレリはデブリによるカットだと分析しているようだが、これを信用していないチームもある。シルバーストンの際にもピレリは縁石によるカットとしていたが、各チーム技術陣には内々に構造上の問題であることを伝えていたからだ。
FP-2ではフェルナンド・アロンソが内圧の低下を察知して緊急ピットイン。タイヤを確認すると、右リアにチャンク(トレッドの剥がれ)が発生していたという。
フェラーリの浜島裕英エンジニアは「ちょっと(タイヤの高速耐久性が)弱すぎるよね」と心配げな表情。
「今週はキャンバーも内圧も普段よりも厳しい数値に制約されていますが、それでもこうなってしまう。チャンクも(最も負荷が掛かるはずの)トレッドのイン側ではなくて真ん中に発生していましたから、内圧とかキャンバーという次元の話じゃない。(問題が起きないよう)祈るしかないよね」
キャンバーはフロントが3.5度、リアが2.5度と厳しく制限されているが、それでも問題は発生している。日曜がウエットレースになれば心配はなくなるだろうが、ドライとなればシルバーストンの悪夢が再発する可能性すらある。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)