今日の予選のように刻々とコンディションが変わる難しい路面で速さを発揮するルイス・ハミルトンは、「こういう時にマシンの限界を見つけるのが得意だ」という。
ハミルトンは、そのウエットドライビングの極意を次のように説明している。
「僕はこのコーナーにはこれくらいグリップがあるだろうとか漠然と推測しながら走っているわけではなくて、できるだけ視界の先を見て路面の状況を確認し、前を走っているクルマがあればコース上に残ったウエットラインやドライライン(前走車走ったタイヤの跡)を見たりして水量を把握したり、どのくらいグリップがあるかを把握するんだ」
「そしてコーナーに入っていった瞬間に繊細にそのグリップレベルを感じとって、もっとブレーキを踏むべきなのか、ブレーキを弱めるべきなのかを瞬時に判断する。今日のように予選のアタックなら全身全霊をそういうドライビングに集中させるんだ」
(text by Mineoki YONEYA / photo by Mercedes)