9月7日、イタリアGP予選はレッドブル勢が圧倒的な速さを誇り、セバスチャン・フェッテルがポールポジションを獲得した。マーク・ウェバーも2位に入っている。
午前中のFP-3でもトップタイムを記録していたフェッテルは、Q1はハードタイヤの1アタックのみで1位通過。Q2もトップ通過し、Q3でも1回目、2回目のアタックともに最速タイムを記録する圧倒的な速さだった。
フェッテルは「今週はずっとクルマがファンタスティックだったけど、思っていた以上だった。明日は良いレースができるだろうね」と余裕を見せる。
3番手にはザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが入る大健闘を見せた。理由は自分たちでも分からないと言いながらも、金曜の時点では好ましくなかったマシンの状態を土曜にかけて大きく好転させることに成功した。「こんな結果は予想していなかったけど、Q1からQ3に進むにつれてクルマはどんどん良くなっていった」と笑顔を見せた。
FP-3で2位につけQ2でも2位通過をしていたのは、フェラーリのフェルナンド・アロンソだった。Q3ではフェリペ・マッサと編隊飛行を組んでスリップストリームを使い合う作戦が上手くいかなかったように見えたが、実際にはギャップを調整してその効果を得たという。しかしマッサが4位、アロンソが5位という結果に終わった。フェラーリはこれが現状の実力だとしている。
「レッドブル勢の速さには叶わなかっただろうけど、彼らのすぐ後ろにはつけられたはず」(ニコ・ロズベルグ)というメルセデスAMG勢は、ロズベルグがハイドロ系トラブルでFP-3を棒に振ってしまったためにセットアップが煮詰められず6位。ルイス・ハミルトンはフロアにダメージを負った状態でのアタックを強いられた上、トラフィックに引っかかって12位でQ2敗退を喫してしまった。
ハミルトンはQ2最初のランでアスカリ・シケインの縁石でフロアを壊し、「エンジニアからはダウンフォースが大幅に失われていると聞かされていた」という。しかしそれ以前からパラボリカやロッジアなどで挙動が不安定な様子も見受けられ、ロス・ブラウン代表も「今週のマシンは最高の状態ではなかった」と認めている。しかしロズベルグは「金曜はマシンバランスも良かったし、1周アタックでは苦戦させられたけど明日は良いレースができるはずだ」と語っている。
ロータス勢は2台ともにQ2敗退。元々ローダウンフォース・サーキット向きではないマシンであるため、キミ・ライコネンも「別に何か特別な理由があるわけじゃなく、これが実力だよ。ロードラッグ仕様の空力パッケージで充分なダウンフォースがなくて、コーナーが充分速く走れないだけだ」と意外なほどサバサバした様子で語った。
決勝はドライになれば1ストップの退屈なレースになるかもしれないが、日曜午後は曇り、もしくは雨になる可能性もあると見られている。ウエットになれば2007年や2008年のように大荒れのレースになる可能性もある。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)