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赤道直下の灼熱地獄のはずが……

今年のシンガポールGPは“涼しさ”との戦いに?

2013-9-20 3:17


 赤道直下で暑く湿度も高く、ドライバーにとってはシーズンで最も身体的に厳しいことで知られるシンガポールGPだが、今週のシンガポールは例年に比べて異様に涼しい気候になっている。昼間はさすがに暑く、外にいればじっとりと汗ばむものの、気温は30度を少し上回る程度。予選・決勝が行なわれる20時・21時ともなれば風に涼しさを感じるくらいだ。

「妙に涼しいよね。昨日もそうだったんですよ」

 フェラーリの浜島裕英エンジニアは、タイヤにとっては厳しいコンディションだと懸念する。

「この温度だと、ミディアムが厳しいですね。ワーキングレンジが高いから、温まらないんです」

 ピレリの今シーズンのタイヤは、作動温度領域(ワーキングレンジ)でいえば、ソフト、ミディアム、ハード、スーパーソフトの順だ。ミディアムはそもそも、シンガポールでは路面温度が高くなることを想定して投入されたコンパウンドだ。

 暑いコンディションならば、タイヤに厳しいレッドブルやメルセデスAMGの方が先にタイヤがタレる。そうすれば純粋なパフォーマンスでは劣っていてもフェラーリに逆転のチャンスが生まれる可能性は充分にある。

 レッドブルのビークルパフォーマンス・チーフエンジニア、ピエール・ヴァッシェも、涼しくなるとミディアムは使いにくいだろうという同じ見方だ。

「この温度だとミディアムは厳しいね。スーパーソフトは数ラップは持つだろうから予選では良いけど、ピークは1〜2周だから使いこなすのは大変だろう」

 浜島氏はスーパーソフトのライフは10数ラップだろうと予想する。となれば1ストップ作戦は不可能で、ミディアムを中心にして長く走らざるを得ない。そのパフォーマンスが引き出せないとなると、苦しくなる。

「涼しくなるくらいなら、雨が降ってくれた方がまだ良いですね……」



 天気予報では、連日ともに最高気温は32度、夕方に雨が予想されている。

 レッドブル追撃を見せたいフェラーリだが、シンガポールにしては予想外に涼しいこのコンディションがそれを阻んでしまうのだろうか。

(text and photo by Mineoki YONEYA)


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