9月20日、シンガポールGP初日のフリー走行が行なわれ、FP-1こそルイス・ハミルトンがトップタイムを奪ったものの、2位・3位につけたレッドブル勢がFP-2では1-2を奪って速さを見せた。メルセデスAMG勢も3位・4位につけているが、1位セバスチャン・フェッテルと3位ニコ・ロズベルグは1秒差とその差は明らかだ。
GP2とポルシェカップの走行が行なわれた後とはいえ、FP-1の走り始めは路面がダスティで各車は走行を控えることになった。事前に予想されていたようにミディアムのウォームアップは良くはないが、チームによっては温まりすぎになるケースもあり、決して大きな問題にはなっていない。
路面は走行を重ねていくうちにグリップが増し、GP2の予選を挟んで行なわれた夜のFP-2では急激にグリップレベルが高くなりラップタイムも1分47秒台から44秒台へと大幅に向上した。つまりFP-1のタイムはあまりあてにならない。
ロングランのペースを見れば、ここでもレッドブルが強さを誇っていることが分かる。レッドブルはフェッテルが17周、マーク・ウェバーも17周のロングランをそれぞれ行ない、クールダウンラップを挟みながらほぼノーでグラの走りを見せている。
メルセデスAMGは、ロズベルグが11周(SS)と13周(M)のロングランを行ない、スーパーソフトはデグラデーションが見られたものの、ミディアムではほとんどノーデグラの走り。ただしハミルトンは当初の予定を変更してミディアムのロングランは行なわず、4〜9周のショートランばかりでセッションを終えている。
一方、フェラーリはフェルナンド・アロンソが18周を走ったが、こちらは全体で1秒ほどのデグラデーションが見られた。巡航ペースでも1秒以上の差があり、燃料搭載量ははっきりとは分からないものの、ハイダウンフォースサーキットでは依然としてフェラーリがメルセデスAMGやロータスに後れを取っていることが露呈したことをチームも認めている。
ロータスはいつも通りキミ・ライコネンが14周と10周というやや短めの段階でロングランをストップ。ややデグラデーションが見られた。しかしアタックラップにはトラフィックに引っかかったといい、実際にはマシンパフォーマンスはもっと高いと手応えを掴んでいるようだ。ロマン・グロージャンはパワステやブレーキのトラブルに相次いで見舞われており、セットアップの煮詰め不足が気に掛かる。
いずれにしても、ベルギー&イタリアの高速戦を終えてハイダウンフォースのパッケージに戻った今回は、レッドブルの速さを改めて認識させられる結果となっている。メルセデスAMG勢の土曜までの巻き返しもあるだろうが、アップデートの手を緩めていないレッドブルの方が一歩先を行っているようだ。
(text and photo by Mineoki YONEYA)