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【シンガポールGP日曜レポート】

フェッテル圧巻の独走でシンガポールを制す!

2013-9-23 6:39




 シンガポールGP決勝は、セバスチャン・フェッテルがポールトゥウインを果たした。スタート加速ではニコ・ロズベルグに首位を奪われそうになったフェッテルだが、ここを踏みとどまった後は楽勝だった。

 ターン1までにイン側に並ばれて首位を奪われたかに思われたフェッテルだったが、ロズベルグはブレーキングがやや遅れてオーバーシュート。この間にフェッテルがクロスラインをとり、ターン3ではフェッテルがイン側について再逆転を果たした。そこからは一気に10秒近くまで差を広げ、あとはタイヤをいたわりながらペースコントロール。

 第2スティントに入って10周ほどが経過した25周目にダニエル・リカードがターン18でクラッシュしセーフティカーが導入されると、フェッテル陣営は苦境に立たされた。半分以上の距離を残したこのタイミングに、フェッテルはひとまずピットインを見送り、2位ロズベルグ・4位マーク・ウェバー・6位ルイス・ハミルトンもこれに続いてステイアウト。しかし3位フェルナンド・アロンソや5位ロマン・グロージャンはすかさずピットインし、残りの距離を無交換で走り切る作戦に出る。例年よりもラップタイムが速くタイヤデグラデーションが大きかった今年のシンガポールだが、決勝ではやや改善の傾向が見られていたためだ。

 上位はフェッテル、ロズベルグ、ウェバー、ハミルトンのステイアウト組で、アロンソは5位、グロージャンが6位となった。しかし上位4台はもう1回のピットストップが必要で、アロンソ以下は長い距離を1セットで走り切らねばならないという、それぞれ真逆の戦略同士の戦いになった。

 序盤に築いたリードを失ったフェッテルは、レース再開とともに猛プッシュで他車より1周2〜2.5秒速いペースで周回。10周で20秒以上のギャップを作り上げ、ピットストップ1回分のマージンをひねり出してしまった。そして44周目にピットインすると首位のままレースに復帰し、あとはペースを抑えながらマシンをいたわってフィニッシュ。セーフティカー出動の不運に見舞われながらも、それに対応しても余あるほどの余裕を見せつけて優勝を飾った。



 一方、2位ロズベルグはレース再開からペースを上げられず、むしろアロンソに追われる展開。41周目にピットインをすると前周にピットインしたウェバーに逆転され、12位まで後退。ジェンソン・バトンが3位、背中の痛みを押して出走したキミ・ライコネンが4位まで浮上してきた。

 しかしセーフティカーが入った時点でピットインしたマシンたちはやがてリアタイヤがタレて、ペースを落としていく。レース終盤に11位ウェバー、ロズベルグ、ハミルトンが追いつき、次々とパス。ライコネンもタイヤがタレたバトンを54周目に抜いて3位に浮上する。マクラーレンは今季初の表彰台のチャンスを失うことになったが、セーフティカー導入時にピットインして変則2ストップに賭けた勝負はナイストライと言うべきだろう。

 アロンソも同様の戦略で逃げ切って上出来以上といえる2位表彰台を獲得した。メルセデスAMG勢は終盤に追い上げたものの、ロズベルグ4位、ハミルトン5位が精一杯。ウェバーは冷却水漏れでエンジンがオーバーヒートして最終ラップにストップ。グロージャンはニューマチックバルブのトラブルでリタイアを余儀なくされたが、その不運がなければライコネンの前3位でフィニッシュできていたはずだけに残念な結果となった。

 なお、レース後にマーシャルの制止を振り切ってコースに出てアロンソ車のコクピット脇に乗ってピットへ戻ってきたウェバーには、危険行為に対して戒告処分が出され、今季3回目の戒告ということで次戦10グリッド降格ペナルティが科せられることになった。アロンソにも戒告処分が言い渡されている。



(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)


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