10月11日、鈴鹿サーキットで日本GPのフリー走行1回目・2回目が行なわれ、やはりレッドブル勢が速さを見せた。FP-1こそルイス・ハミルトンがトップタイムを記録したものの、FP-2ではセバスチャン・フェッテルとマーク・ウェバーが1-2タイムを記録した。
気温28度、路面温度36度。予想外の暑さになった鈴鹿では、リアタイヤの熱ダレが進みデグラデーションが大きくなった。ニコ・ロズベルグはリアタイヤの温度管理に腐心する一方で、左フロントに大きなブリスターを作る場面もあった。
世界屈指のドライバーズサーキットといわれる鈴鹿では、ドライバーの腕が如実に試される。コースレイアウトの難しさに加えて、ランオフエリアが狭く、舗装路でないこともその要因になっている。FP-1ではジュール・ビアンキ、ギド・バン・デル・ガルデがデグナーの2つめでコースオフし、タイヤバリアにクラッシュした。特にビアンキは左フロントを大きく壊し、モノコック交換のためFP-2を丸々棒に振ることとなってしまった。
FP-2ではパストール・マルドナドが同じくデグナー2つめでオーバースピードではみ出して止まり切れずクラッシュ。セルジオ・ペレスはスプーン入口のブレーキングで人工芝に足を取られてスピンオフし、タイヤバリアにクラッシュした。
また、キミ・ライコネンでさえもダンロップでリアのグリップを失い、スピンオフしてグラベルに捕まった。ライコネンは韓国GP金曜日に続いてミスを犯したと認め、風向きの影響もあったと話す。
「単純にスピンしただけのことだよ。今日は風が強かったしタイヤも堅めだからトリッキーだったんだ。ちょっと攻めすぎたんだ。もちろん良いことじゃないけど、でもマシンにダメージはなかったし最悪ではないよ」
フェルナンド・アロンソもデグナー1つめの縁石に引っかけて高速でスピンを喫したが、こちらは巧みにマシンをコントロールして走行を続けた。
トップタイムを記録したフェッテルは次のように語っている。
「タイヤをいかにいたわるかが勝負のカギになるだろう。今日も多くのドライバーがそれに苦しんでいた。まだマシン改善の余地はあるよ。(タイトル決定の可能性もあるが)僕らは目の前のレースだけに集中して全力を尽くしていきたいと思っているよ」
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)