アブダビGPの週末を迎えた
ヤスマリーナ・サーキットのコース上の様子をチェックしておこう。長いストレート2本と低速セクションのセクター3を組み合わせたレイアウトで、高速コーナーがほとんどなく、ドライバーたちからの評価は高くない。
まず
路面は非常にスムーズ。石の間の構造材はかなり減ってきているが、表面はフラットでμは高く、高いグリップレベルが得られる。
ただし周囲を砂漠に囲まれているため、中東特有の非常に粒子の細かい砂がサーキット全域に飛来する。走行によってクリーンアップはされるものの、1日経てばまた元に戻るということもある。しかし全体的には週末を通して路面のインプルーブは大きな部類に入ると言える。
縁石は主に段差があり、エッジの切り立ったものが設置されている。ターン1のアウト側など、人工芝が敷き詰められた側のエッジはかなり鋭利で、2年前にはセバスチャン・フェッテルがスタート直後にタイヤをパンクさせたこともあった(未だに原因ははっきりとしていないが)。
イン側にはカット防止のボラードが立っている箇所があり、ターン8〜9、11〜12のシケインのアウト側にはモンツァ同様にショートカット防止のためのスピードバンプが導入されている。
部分的には路面を塗装しただけの縁石もある。ターン1のアプローチ箇所にある縁石は、途中までは段差があり、ブレーキング時に触れるのは危険だ。フェッテルとフェルナンド・アロンソが相次いでスピンしたことでも有名だ。しかしコーナーの奥まで行くとただの塗装になっており、ターン1のアウト側のランオフエリアとの境界も緑色の塗装でしかない。
ランオフエリアは主にアスファルトで、安全性は高い。ヤスマリーナ・サーキットのイメージカラーである緑色に塗装されているが、アンチスリップ塗料であるためグリップレベルは高い。ガードレール脇にはTECHPROのクラッシュバリアが二重三重に並べられている。
なお、ターン1の地下を通る独特な
ピット出口は、写真のようになっている。速度制限はシグナルのある下りの手前で解除になるが、トンネルをくぐる左ターンはターン1よりもきつく、注意が必要だ。イン側には段差のある通常の縁石が設置されている。
(text and photo by Mineoki YONEYA)