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アブダビGP予想以上の不振

フェラーリ勢の失速に意外な原因

2013-11-9 17:00


 アブダビGPでフェルナンド・アロンソがQ2敗退を喫するなど、フェラーリは後半戦でも一番の苦戦を強いられた。レッドブルやメルセデスAMGに及ばないことは分かっていたとはいえども、当のフェラーリとしてもここまでの苦戦は予想していなかったようだ。

 その原因はトラクション不足にあった。そのトラクション不足を生んだのは、リアサスペンションの空力コンフィギュレーションの失敗だ。



 今シーズン後半戦に入ってレッドブルやザウバーが好走を見せるようになったのは、2012年型構造タイヤに合わせてリアサスペンションを上手く合わせ込めたからだと言われている。具体的に言うと、エンジン排気を受けるアップライト内側の空力パーツの処理だ。これによりリアのダウンフォースを増大させ、リアのスタビリティを安定させているのだ。

 フェラーリはアブダビGPでそのパーツ設定をミスしたという。トラクション不足の原因を、アロンソは次のように説明した。

「トラクション不足は空力のせいだと思う。細かなパーツをいろいろ試すたびに、マシンのフィーリングは意外と大きく変わるものなんだ。その空力パーツのコンフィギュレーションをきちんと決められていないんだと思う」



 タイヤを扱う浜島裕英エンジニアも、空力が原因だと見ている。

「去年のパフォーマンスを考えると、あの結果は悪すぎるよね。リアのエアロのセッティングを失敗してるんだと思います。満タンでクルマが重いうちは良いんだけどね……」

 その言葉通り、フェラーリ勢は燃料が重い第1スティントで長く引っ張り、そのアドバンテージで5位・8位フィニッシュ。上位勢を相手に苦戦は続くだろうが、この空力セットアップさえ失敗しなければ、アブダビGPほどの苦戦にはならないだろう。残り2戦でメルセデスAMGやロータスとの両ランキング2位争いも充分に戦えるはずだ。

(text and photo by Mineoki YONEYA)


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