ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む

 
【BRA金曜レポート】唯一2014年プロトで走行

レッドブルが大きなメリットを得る?

2013-11-23 5:54


 ブラジルGPの金曜日用にピレリは2014年用プロトタイプタイヤを供給したが、雨のために有益なテストはできなかった。

 唯一走行したのはセバスチャン・フェッテルで、FP-1のウエットコンディションの中とはいえ、まず2013年型ハードタイヤで2度のレコノサンスラップを行ない、その後マーキングのない真っ黒なプロトタイプで1周のレコノサンス走行をした。

 フェッテルのマシンには左リアタイヤとディフューザー左後方に気流センサーが装着されており、これによって走行中のタイヤの変形がマシン周辺気流に与える影響を測定した。

 2014年からパワーユニットが新しくなり、ターボエンジンとなってトルクが増えるため、これを受け止めるリアタイヤの構造のメカニカル剛性を向上させるとピレリはしている。



 レッドブルはFP-1で今季型ハードタイヤとプロトタイプタイヤを相次いで履いて走ることにより、両者の差のデータを収集したのだ。

 一方で走行中のタイヤ変形はシミュレーションが難しく、風洞での再現も難しいため、フェラーリやマクラーレンが抱えているようなコラレーション(誤差)問題の原因となっている。

 マクラーレンも金曜セッションに向けて気流センサーなど「たくさんてんこ盛りで付けていたんですが、慌てて外しました」(今井弘エンジニア)という。

「タイヤのフィーリングという点ではまだ慌てる必要はないかなと思っていますが、タイヤ変形のデータ測定はしておきたかったというのが本音ですね。きちんと負荷をかけた状態でないと意味がないので、レッドブルのあのウエットのタイムでは厳しいのではないかと思いますが……」(今井エンジニア)

 しかしこのブラジルGPの機会を逃せば、年内にプロトタイプタイヤをテストするチャンスはない可能性が高い。ピレリは2年以上前のマシンを使ってバーレーンなどでテストを行なうことを希望しているが、コスト面に加えてスペアパーツの確保など、チーム側の負担を考えると難しいのではないかとの見方が強い。

 なお、木曜のチームマネージャーミーティングでは、金曜が雨になることを見越して、FP-1と2でプロトタイプが使用できなかった際にはFP-3に繰り越すことを許可するようFIAに要請が成されたが、FIAはスポーティングレギュレーションに基づきこれを却下している。

 ウエットコンディションをドライタイヤで走るリスクを冒してでも、レッドブルは非常に重要なデータを他チームに先駆けて手に入れたことになる。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)


ページの終端です。ページの先頭に戻る