ロータスのマルドナド起用決定で、2014年のシート争奪戦は一気に進むことになりそうだ。
『F1LIFE』によるラインナップ予想は以下の通り。グレーのシートが実質的な空席で、残りは5席しかない。
フォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグ起用はほぼ間違いないが、もう1席は全くの未知数だ。ポール・ディ・レスタはインディ転向をほのめかす一方で、エイドリアン・スーティルは残留に自信を見せているが、フォースインディアのシートを狙っているドライバーは多い。
残るシートの中では比較的コンペティティブであり、なおかつ実力が評価される余地も充分にある。その点では、セルジオ・ペレスの加入や、小林可夢偉にも可能性がないわけではない。
しかしチーム技術陣が現行の2人を高く評価していることを考えれば、資金力がものをいうことになると見るべきだろう。サードドライバーには早くも、ニコラ・トッドとメルセデスのトト・ウォルフの息の掛かったジェームズ・カラド起用を決めている。また、ブラジルのパドックには、GP2組で資金力もあるフェリペ・ナスルやマーカス・エリクソンも姿を見せ、シート獲得に向けて動いていた。
ザウバーはセルゲイ・シロトキンを起用する意向を明らかにしていたが、これはロシアからの資金がきちんと支払われるかどうかにかかっている。
現時点ではシロトキンはスーパーライセンス獲得は不可能であり、ダニール・クビャト同様にFIA立ち会いの下で(2年以上前の)F1マシンでのレーシングスピードでのテストが必要となるが、現時点でシロトキンがF1をドライブしたのはソチでのデモ走行1回のみ。シーズン中のフリー走行出走も実現せず、ゲストとして姿を見せたのはイタリアGPのみ。来季のデビューは現実的ではない。
一方で、既定路線と思われていたマクラーレンへのタイトルスポンサーの可能性が小さくなったテルメックスは、その資金をザウバーに一本化することも考えられる。それによりメキシコ人ドライバー2人をザウバーに送り込むことも充分にある。エステバン・グティエレスはチーム技術陣からセットアップ能力について高い評価を得ており、開発能力のあるドライバーを少なくとも1人は起用するザウバーの方針からいっても彼を残す可能性は充分にある。
シャルル・ピックはルノーの準ワークスであるケータハムにほぼ決定。マックス・チルトンやギド・ファン・デル・ガルデは資金力でフォースインディアのシートを狙っているようだが、2人のうちのどちらかがマルシアの空席に座ることになりそうだ。
ケータハムは現行ラインナップで開発やセットアップの方向性を見出すのに苦労しており、本格的な開発能力が必要となる来季に向けては経験のあるヘイキ・コバライネンを起用したい意向だ。コバライネンもケータハムのみに絞って交渉を進めていることを明らかにしている。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Ferrari)