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グロージャンがコース上を走った理由

これがインテルラゴスのコースサイドの実態!

2013-12-1 7:00


 最終戦ブラジルGPでリタイアしたロマン・グロージャンが、必死にコース上を走ってピットに戻る映像が映し出されたが、これは本来は絶対にNGな行為。では、なぜ審議対象になることもなく許されたのか?

 コースサイドにいるマーシャルやカメラマンはもちろん、リタイアしたドライバーも速やかにコンクリートウォールの外側に出なければならない。昔はリタイアしたドライバーがコースを横切って戻るなんていうシーンも見られたが、今はレース続行中にコース内に立ち入ることなど言語道断だ。スポーティングレギュレーションで明確に定められている。

 それでもグロージャンがコース上(実際にはゼブラゾーンだが)を走ってピットレーンまで退避することになったのは、インテルラゴスの地形に理由がある。



 インテルラゴスのメインストレートはインフィールドより高い位置にあり、ターン14からピットまではコースの内側のコンクリートウォール裏が急坂になっていて、人間一人が歩くのがやっとというほどの幅しかないのだ(上写真のイン側の幅がピット入口まで続く)。そのため、あそこでマシンを降りたグロージャンは行き場所がなく、マーシャルにコース上を走って退避するよう指示されたのだ。

 我々ジャーナリストやカメラマンも、コースサイドを歩く際にはかなり注意をしている。少しでも足を滑らせるとインフィールドまで滑り落ちてしまいそうになるような場所はたくさんあるからだ。それ以外にも、「もしクルマがコースオフしてきたらすぐそばでクラッシュに巻き込まれてしまうな……」と感じるような場所もある。今年は雨が続いて芝生が濡れていたり足下がぬかるんでいたりしたので、余計に怖かった……(こんなところを歩いてマシン観察に行っているんです)。



 こういったところも、古き良き時代のサーキットという雰囲気が残されているのだ。コースサイドに行く側とすれば、ちょっと怖いというのが本音だが……。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2, Mineoki YONEYA)


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