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テルメックス資金だけが理由ではない

ザウバーがグティエレス継続起用を発表

2013-12-21 16:06


 12月20日、ザウバーはエステバン・グティエレスの残留を発表し、2014年ドライバーズラインナップを確定させた。

 ザウバーはテルメックスとのスポンサー契約延長、グティエレスとの契約延長、そしてセルゲイ・シロトキンのテストドライバー就任を相次いで発表している。テルメックスからのスポンサー資金ありきで決まったことは事実だが、チーム内ではグティエレスの能力に対する評価がそれなりに高かったことも事実だ。

 シーズン前半は主に予選でつまずき好成績を残せなかったグティエレスだが、チーム状況が上向いたベルギーGP以降の後半戦はみるみる成長を見せてQ3進出を果たすようになり、日本GPではようやく初ポイントを獲得している。彼のレースエンジニアは昨年まで小林可夢偉を担当していたフランチェスコ・ネンチで、予選での失敗は彼の判断ミスによるところも大きかった(後半戦にもその傾向はあったのだが)。

 しかしグティエレスのフリー走行での走りにはシーズン前半から高い評価が与えられていた。ニコ・ヒュルケンベルグは決してマシンセットアップが上手いとは言えず、チームのセットアップ方向性を決める役割を担っていたのはグティエレスの方だとあるエンジニアは明かす。正確なデータ収集に必要とされる、指示された通りの走りをする能力も極めて高い。

 予選や決勝では様々な外的要因に左右されて実力を発揮することがままならないことが多かったが、データ上はすでに可夢偉と同等かそれ以上の速さを発揮していることを示しているという。レースでの“当たり”の強さも、彼がGP2時代に攻撃的な走りを見せていたことを思えば、いずれ身に着いてくるはずだ。

 来季ザウバーのエースドライバー格となるエイドリアン・スーティルも、速さはあるものの決してレースが上手いドライバーではないだけに、グティエレスが着実に結果を残していけばチームの主導権を握ることになる可能性も充分にあるだろう。



(text by Mineoki YONEYA / photo by Sauber)


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