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【新車解説】ケータハムCT03

移行の年、最小限の予算で効率の良い開発

2013-2-6 20:52

前年型をモディファイしたのみ
"移行の年"を乗り切るためのマシン


 ケータハムのニューマシンCT03は、2014年の大型レギュレーション変更に向けた"移行の年"を乗り切るための暫定型マシンとでも言うべきものだ。昨年型CT02をモディファイしたものに過ぎず、モノコックを流用していたとしても不思議ではないほどだ。

 マイク・ガスコインが離脱しテクニカルディレクターのマーク・スミスが指揮を執ったが、「昨年型マシンのうち、効果的な開発余地がある箇所の改良にリソースを集中させた」と語り、その実力を発揮するのは2014年に向けたプロジェクトであって、少ない予算から2013年用開発に割くリソースは最小限にしたいという思いが伝わってくる。2013年についてはチームは"効率の良い"開発を信条としている。

 全体のフォルムはまさにCT02そのままで、最も顕著な変化は鮮やかな色味になったカラーリング。これはコース上での視認性をアップさせるためだ。

 前後ウイングは前年型を流用しており、ヨーロッパラウンド開幕となるスペインGPでの大型アップデートを予定しているという。ディフューザー、前後ブレーキドラムなどもこの空力アップデートに含まれる予定だ。

 ノーズもステップつきの前年型を踏襲。バージボードやモノコック下先端のTトレイなどはモディファイを加えている。サイドポッド上の整流フェンスも3枚に増えている。

 最大の変更点と言えるのがサイドポッドで、下部のアンダーカットを強くして空力性能の向上を目指している。これにともなってリアカウルもコンパクトにモディファイされているが、コアンダ排気管は昨年同様の手法を踏襲している。

 ケータハムは市販車開発で提携するルノーとの関係を強化し、チーム代表にルノースポールからシリル・アビテブールを迎えている。彼らの主眼は2014年だ。2014年に向けた移行の年を戦うCT03は、あくまで最小限の予算で効率よくマルシアと戦いランキング最下位に転落しないためのマシンに過ぎないのだ。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Caterham)

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CATERHAM CT03 SPECIFICATIONS
ENGINE: Renault V8 RS27-2012
CHASSIS MATERIAL: Carbon Fibre
BODYWORK MATERIAL: Carbon Fibre
FRONT SUSPENSION: Carbon Fibre
REAR SUSPENSION: Carbon Fibre
DAMPERS: Penske & Multimatic
STEERING: Caterham F1 Team
GEARBOX: Red Bull Technology
CLUTCH: AP
DISCS: Carbone Industrie or Hitco
CALIPERS: AP
PADS: Carbone Industrie or Hitco
COOLING SYSTEM (RADIATORS, HEAT EXCHANGERS): Caterham F1 Team
COCKPIT INSTRUMENTATION: MES
SEAT BELTS: Schroth
STEERING WHEEL: Caterham F1 Team
DRIVER'S SEAT: Caterham F1 Team
EXTINGUISHER SYSTEM: FEV
WHEELS: BBS to Caterham F1 Team Specification
FUEL CELL: ATL
FUEL PROVIDER: Total
LUBRICANTS PROVIDER: Various
WHEEL BASE: More than 3000mm
OVERALL LENGTH: Approx 5 metres
OVERALL HEIGHT: 950mm

 

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