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ルイス・ハミルトン、大胆不敵に現在を語る。


2010-7-5 4:42
「今年、王者になれないと思ったことなんてない。」

 強い陽射しが照りつけるバレンシアのハーバーで、予選を3位という結果で終えたばかりのルイス・ハミルトンは、キラキラと輝く海の水面を遠目に見やりながらリラックスしていた。『ブランドセンター』と呼ばれるマクラーレンのモーターホームの3階は、透明の壁面が半分取り払われて、オープンエアにしつらえられた。そこから吹き込んでくる潮風が心地良い。

 マクラーレンはこのヨーロッパGPで上位争いができるとは思っていなかった。いや正確に言えば、「金曜日の時点で」それは難しいと覚悟した。ライバルたちが導入してきた新デバイスが予想以上の効果を発揮し、速さを見せてきたからだ。マクラーレンは次戦イギリスGPまで、その投入を待たなければならない。バレンシアにあるのは、カナダを走ったのと同じままのマシンだ。

 ルイスは木曜日に「ここは空力が生きるサーキットじゃないから、アップデートの効果もそれほど出ないし大丈夫だよ」と笑顔を見せていたが、現実はそうはならなかった。土曜日を迎えても、マクラーレンの2台は午前中のフリー走行で9位・10位に沈んだ。これは完全に実力を反映した結果だったという。

 しかし事態は予選で一変した。最終アタックをミスしたのにもかかわらず、ルイスは3番グリッドを手に入れた。ライバルたちがスーパーソフトタイヤを上手く使いこなせず、自滅してくれたからだ。抜きにくいこのサーキットでは、これは大きなアドバンテージになる。

 そしてルイスは紆余曲折の末、2位でヨーロッパGPのチェッカーを受けた。


――ヨーロッパGPはペナルティにもかかわらず2位になりました。

「そうだね、今回も良いレースだった。ハードに攻めて楽しかったしね。レースの最初から最後までずっと、プッシュし続けなきゃいけなかったんだ。トルコやカナダと同じ結果(優勝)は果たせなかったけど、ペナルティがあったからセバスチャン(・フェッテル)に挑戦するチャンスは無かったし、2位でフィニッシュできて良かったよ」

――ペナルティが無ければ優勝争いもできていた?

「彼をプッシュする速さはあったと思うよ。あのコースで抜けたかどうかは別の問題だけどね。でも彼にプレッシャーをかけてミスを誘うことはできたはずだよ。もしくは、(無理をさせて)彼のマシンに負荷をかけさせるとかね。

 実際にはそうはならなかったけど、それでもヨーロッパGPを終えて僕はまだチャンピオンシップをリードしている。リードが広がりさえしたんだ。イギリスGPにはマシンにライバルたちと同じ新パーツ(下方排気のブロウンディフューザー)が投入されるし、楽しみだよ」

――ライバルたちはヨーロッパGPで速くなってきましたね。

「金曜日はちょっと心配したよ。僕らのマシンの速さは変わっていないのに、ライバルたちが突然僕らよりも速くなったんだからね。どのチームもかなり大きく進歩してきていた。

 カギになったのは、Q3の最初のアタックラップだったんだ。本当に完璧にタイムを削り取ることができた。2回目の最後のアタックで上手く決められなくて、大きくグリッドが落ちてしまうんじゃないかとハラハラしたけど、それでも3番グリッドを獲ることができたからね。あのおかげで、良い週末にすることができたんだ。

 スタートでマーク(・ウェバー)を抜くことができたんだけど、それはスタート前からちょっと期待してはいたんだ。インサイドのグリッドの方が有利だからね。そこからさらにセバスチャンを抜くチャンスを狙ったんだけど、ターン2で接触して、フロントウイングの翼端板の一部を失ってしまったんだ。そのせいで第1スティントはマシンバランスが崩れてしまったよ。ある時点から彼が大きくペースを落としたようだったから、僕はギャップを縮めようと攻めたんだけど、彼にもそれに反応してペースを上げる力があった。だからあとはマシンをフィニッシュまで持ち帰ることに専念することにしたんだ。

 僕らにとってはある意味、ヨーロッパGPは傷口を最小限に抑えるレースだった。それで2位・3位を獲れたんだから、すごく良かったよ」

――セーフティカーを抜いたことについて、結果的にその方が有利だったとフェラーリは不満を述べていますが。

「正直言って、あまりよく憶えていないんだ。ターン1を曲がって、まさに文字通りセーフティカーラインを越えたところでセーフティカーが横にいるのが見えたんだ。

 フェルナンド(・アロンソ)がBMWザウバーのマシン(小林可夢偉)に抜かれているのを、会場の大型スクリーンで見ていたよ。ザウバーに抜かれるなんて彼にとっては滅多にないことだろうし、完全にいつもとは違ったんだろうね・・・(続く)」

(text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2)


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● ヨーロッパGPのセーフティカー追い越しの真相

● 実は大苦戦を覚悟していたバレンシア

● カナダでの圧勝劇の理由

● トルコの一触即発、バトンとの関係は?

「今年チャンピオンになれないと思ったことはない。」

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商品の詳細
著者:米家 峰起
レース:2010年第9戦ヨーロッパGP
ページ数:31
ファイルサイズ:21.9MB
商品番号:ITEM2010-0116
価格:150円(税込)期間限定・無料DL中!


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