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技術的に見る、ミハエル・シューマッハの母国凱旋


2010-7-25 16:47
 3年ぶりの現役復帰から、大勢のファンが待ちかねた母国凱旋。ミハエル・シューマッハのドイツGPは、予想以上に厳しいものになりました。

 バレンシアで投入したブロウンディフューザーは、イギリスGPから効果を発揮するようになりました。ドイツでもさらにディフューザーの改良を進め、Fダクトもより効率の高いものに進化。金曜から好調な走りを見せ、「予選で5位か6位に行けると思う。レースではさらに上に行けるかもね」と笑顔を見せていたシューマッハでしたが、肝心の予選になると突然失速。僚友ロズベルグも同様に後退したことから、問題はマシンの側にあることは明らかでした。

 チームとシューマッハとしては、今回新たに進歩させてきたディフューザーやFダクトが上手く機能させられなかったことが原因と考え、「テスト禁止の弊害だ」と訴えていました。しかし予選になって失速することはバレンシアでも起きており、シューマッハはたびたび、「タイヤの製造個体差のせいではないか」と言ってきました。

 しかしブリヂストンに言わせれば、個体差はまず無し。それがあるとすれば、熱に対する感度が圧倒的に敏感だった2006年当時の方が可能性は高いといい、むしろチームのタイヤ管理に問題があるのではないかと示唆しています。BS側の指定するタイヤウォーマーの温度や保温時間を守らないと、タイヤの内圧が不安定になるだけでなく、トレッドのゴム特製が変化することは充分にあり得るのです。フォースインディアなども同様の事例に苦しんでいることを思えば、その可能性は充分に有ると言って良いでしょう。

 金曜FP-2ではコースオフした際にフロアを痛め、再びコースオフ。そのために早めに走行を切り上げましたが、この時点では手応えを感じていたわけで、やはりアップデートそのものは悪くなかったはず。シューマッハの要求に対してエンジニアの側が付いてこられていない面もあるようで、シューマッハが臨む環境を揃えるには、マシンの開発だけでなくチームとしての成長もまだまだ必要なようです。シューマッハ完全復活にはまだ時間がかかると見るべきでしょう。

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(text by Mineoki Yoneya / photographs by La Vie Creative)



『テクニカルファイル速報(2010 Rd.11 ドイツ)』

●母国凱旋、ミハエル・シューマッハ特集

●マクラーレンの改訂版ブロウンディフューザー

●各チームの気になる最新アップデート

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商品の詳細
著者:La Vie Creative
レース:2010年第11戦ドイツGP
ページ数:41
ファイルサイズ:23.3MB
商品番号:ITEM2010-0136
価格:210円(税込)


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