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大躍進の原動力となった、ルノーのFダクト


2010-9-3 1:08


 ベルギーGPからようやくFダクトを投入してきたルノーは、フリー走行で試して効果を確認し、シミュレーション通りの数値を示していたことから予選・決勝でも引き続き使用することを決めました。

 チーム代表のエリック・ブイエが「今回のパフォーマンスゲインの半分以上はFダクトによるものだ。導入してすぐに上手く機能させたチームのみんなの頑張りは尊敬に値するよ。シミュレーションの値通りの結果を示してくれたんだ」と語る通り、長いストレートのあるスパ・フランコルシャンで予選2位、決勝3位という結果は、Fダクトの効果によるところが大きかったという言うべきでしょう。

 ロベルト・クビツァは、Fダクトについて次のようにコメントしていました。
「期待通りに機能してくれたよ。フリー走行1回目からすんなり使えるかどうかがとても重要だったんだけど、システム自体の確認を行なってデータ収集をして、Fダクトについての知識と経験を蓄積していったんだ。何も問題は無かったし、上手く行ったよ。

 僕らがここでコンペティティブだなんて、誰も予想していなかったと思う。でもFダクトのおかげで少し楽な戦いができたし、フリー走行で走ってみてトップ3位入りの自信も持てた。どんなコンディションでもどんなタイヤでもコンペティティブだったからね」

 ルノーのFダクトはコクピット後方のロールバーの左右から気流を採り入れ、そこからダクトによってリアウイング上とウイング下のセンターステー部分の2方向に流される方式。通常時は下側に流れ、ドライバー操作によって上ダクトに流れてリアウイング裏へ排出されてダウンフォース発生を止めてドラッグを低減させます。

 Fダクトの操作に関しては、多くの後続模倣チームと同様で、コクピット内にパイプが通されていてそこに穴が空いており、これを手でふさぐことでFダクトが機能するしくみになっている。

 操作については、慣れるしかないのだとクビツァは話します。

「使い方には慣れるしかない。今までに経験したことのないものだけどね。普通、コーナーの出口ではアクセルを踏んでギアを上げていくだけだ。そして次のコーナーに向けて集中するだけ。でもこれからは(Fダクト操作用の)穴をふさぐことを忘れないようにしなければならない。特に問題になるようなことじゃないけど、慣れないとね。コースの場所によっては操作が難しいところもあるけど、基本的には快適に操作できるようなところに設置しているし、全く問題無いよ」

 ルノーは開幕前テストでやや躓いたものの、フロントウイングを中心に徐々に開発を進め、Fダクトを後回しにして開発を優先させたブロウンディフューザーをヨーロッパGPから投入。着実にパフォーマンスを向上させ、今回のベルギーGPでFダクトを投入したことでマシン開発はひとまず完成の域に達したと言えます。

「正直言って、今の自分たちが勝てるとは思っていない。現実的な目標だとは言えない。目標はトップチームとの差を縮めることだ。僕らは6番目のチームだから、前の5チームがいなくならなければ勝てないが、それは難しいだろう」(クビツァ)

 ルノーはコスト削減の波の中でも技術部門は従来通りの予算を使いアグレッシブな開発を進めています。来年の大いなる飛躍こそ、彼らのターゲットだと言えるでしょう。
続く

(text by Mineoki Yoneya / photographs by La Vie Creative)

 

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商品の詳細
 ●著者:La Vie Creative
 ●レース:2010年第13戦ベルギーGP
 ●ページ数:35
 ●ファイルサイズ:23.0MB
 ●商品番号:ITEM2010-0163
 ●価格:210円(税込)


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