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【新春インタビュー】世界王者セバスチャン・フェッテル(後編)


2011-1-2 0:30
ーー自分の長所、強さの秘密は何だと思いますか?
「ネバーギブアップが僕の強さのひとつだろうね。最後の最後まで一度もチャンピオンシップをリードすることがなくても、それでも諦めなかったんだからね。1976年のジェームズ・ハントも同じように諦めずに戦ってチャンピオンになったんだよね」

「今のF1ではとても大勢のドライバーが非常に高いレベルで戦っているんだ。でも勝てるのはたった一人だけだ。純粋な速さというのはファクターの1つでしかない。成功を収めるためにはいくつものファクターが噛み合わなくてはならないんだ」

「長いシーズンの戦いの中で、時には手綱を緩めたいという誘惑に駆られる時だってある。でもそれを振り払って、自分が信じるやり方で前に進んでいかなければならないんだ。一番重要なのは、自分自身を信じる気持ちを絶対になくさないことだよ」

「チームは常に僕に対する信頼を感じさせてくれたし、実際に僕のことを信じ続けてくれた。周囲からどんな風に見られようともね」

ーーシーズンの中で色んなことがありましたが、転機になったのはいつでしたか?
「僕はスパでミスを犯したと認めた。僕はそれが致命的なことだとは思わなかったんだ。オーバーテイクをしようとしてそれが上手くいかなかったというだけなんだからね。あの後、僕はすごく非難されたけど、僕にとってはすごく大きな教訓になった。あれが今シーズンの中で一番大きな出来事だっただろう」

「それまで僕はある種の人気者だったし、限られた人間に囲まれて彼らの言うことだけを聞いていれば良かったんだ。彼らに対してエネルギーを投じれば、彼らは僕にお返しをしてくれることも分かっていたからね」

「それから、モンツァのレースでは耐えに耐えて4位を手に入れた。あれは僕のレースに対する態度を変えたという意味でとても特別なレースだったんだ。あのレースを経験してから、僕は失うことも許せるようになったんだ。それでもまだ僕はタイトルを獲得できると強く信じていたよ。そして実際、力みすぎることがなくなり、それを果たすことができたんだ」

「僕がチャンピオンになれたのはただラッキーだったからだと言う人もたくさんいるだろうけど、シーズン全体を通して見てみてほしい。何度も何度もネガティブなことが起きて、僕は『どうして僕なんだ?』って自分自身に問い掛け続けたんだ。でも最後には僕らがチャンスを掴み取り、他の人たちはそれができなかった。ただそれだけのシンプルなことなんだ」

ーー2011年に向けて、今の心境は?
「今は次のシーズンに向けて集中し、タイトルを防衛したいね」

(text by Mineoki Yoneya / photographs by WRI2)


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 なんだかんだで以前からフェッテル推しだったF1SCENEですから、2010年の総まとめとなるvol.4ではチャンピオン獲得を決めた彼の奇麗な写真が満載。素敵な写真を堪能し、あの感動と興奮にもう一度でも何度でもひたりたい方にオススメです。もちろん、フェッテル以外の写真もたくさんありますので、ファンじゃない方もご安心を。
 よねやんが執筆したテーマ文は「未来へ」。新しい時代を生み出すのは強い信念。今季のF1を戦った彼らのそんな強い思いが描かれています。

 






 

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