ニューウェイどのは、村一番の切れ者と言われておった。
隣家をじろじろと観察しては、そこから得た知恵をもとに自分の家を次々と改装し、ついには村一番の家に仕立て上げたのじゃ。
これに怒ったのは銀色長者のウィトマーシュ番頭じゃった。
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「ニゅーウぇーくーん、ちょっと何するんですかぁ〜? やめてくださぁ〜い。終わりの会で先生に言いますよぉ〜」
隣家の者たちは、それならば自分たちもとニューウェイどのの家を覗きに行ったが、後の祭りじゃった。
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ニューウェイどのは隣家を盗み見しつつ、自分のところはしっかりと見張りの者を立たせ、秘密を逃さぬようにしておったのじゃ。
こうしてニューウェイどのは、切れ者という評判をさらに高め揺るぎないものにしたそうじゃ。
めでたし、めでたし。
ー完ー
(text by Mineoki Yoneya / photographs by WRI2)