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【2011年新車解説】ロータスT128「最新トレンドで既存チームへ殴り込み」


2011-2-8 1:13

 
 2年目を迎えたロータスは、ニューマシンT128で昨年とは打って変わってアグレッシブなアプローチを採り、一気に中団グループ進出を狙う。チーム名称を伝統の『チーム・ロータス』とすることを巡って名称使用権騒動に巻き込まれたが、チームは当初の黒と金のカラーリングを断念しグリーンとイエローを踏襲、チーム名に関しては使用権の保持に自信を持ってチーム・ロータスとしてシーズンに臨むこととした。

 1月31日、T128はウェブサイト上でオンライン発表された。

「我々にパワーとモチベーションを与えてくれるのはファンであり、まず皆さんに最初にこのニューマシンを見て頂きたかった。だからウェブサイト上での公開を決めたんだ。この美しいグリーンとイエローのマシンを楽しんで頂ければと思う」

 チームオーナーであり代表のトニー・フェルナンデスは、ファンに向けてそうメッセージを送った。

 参戦初年度の昨年は、成績面で多くを望まず、準備の年と位置づけて戦った。そのためマシンは奇をてらったところのないコンサバティブな作りとし、信頼性重視。そしてシーズンの早い時点で開発は終了し、ニューマシンT128の開発に専念してきた。1年目はまさに実戦をテストとして利用してきたようなもので、今季こそが彼らにとって最初の勝負の年になるのだ。

「昨年の前半は戦いに慣れることだけが目標だったが、後半はチームの強化に力を入れていった。その頃から、このマシンの開発をスタートさせたんだ」

 チーフテクニカルオフィサーのマイク・ガスコインは、T128の開発をそう説明する。2010年の春頃に空力部門からマシン開発をスタートし、6月にチーフデザイナーが全体の設計を取りまとめ始めた。

「今年のマシンは、昨年よりもかなり現代的なデザインになった。このマシンは中団グループで争うことができるだろう。大きな進歩が果たせたと自信を持っている。そしてこれはまだ、チームロータスをトップへと復活させるプロセスの序章でしかない」(ガスコイン)

 見た目にも分かる通り、前年型マシンとは一線を画したマシンに仕上がっており、「T127から引き継がれたパーツはほとんどない」というほどだ。T127はテスト車両であり、パフォーマンス的にもその正常進化型では到底F1でコンペティティブな走りはできないと判断したというわけだ。

 フロントウイングはトヨタ風の従来型を暫定的に装着しているが、CGではやはりトヨタが最後に投入していた2段式のアッパーフラップが装着されている。このあたりは開幕までにアップデートが施されるはずだ。

 ノーズは幅広く、高く持ち上がったハイノーズ。ダブルディフューザーの禁止で失ったダウンフォースを取り戻すため、フロア下により多くの空気を取り込むことを優先している。きちんと今季のトレンドに合致してきているわけだ。

(続きは『ロータスT128(Technical File 2011 LAUNCH EDITION)』にて)


 text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2

 

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