前戦ドイツGPと2週連戦だったため、ハンガリーGPへのアップデート投入はほとんどなかった。どのチームも灼熱を予想して大柄な排熱ダクトなど熱対策を持ち込んでいたが、北ヨーロッパを襲う冷夏の影響がブダペストにも及んでおり、異例の低温コンディションに加えて日曜は雨まじりとなったため、出番はほとんどなかった。
その中で見られたのは、ベルギーGP以降に向けた開発パーツのテストだ。一部のチームは金曜フリー走行に先行開発パーツを持ち込んで実走テストを行なっていた。これはハンガリーGP後の3週間のサマーブレイク中に2週間のファクトリー閉鎖を伴うこともあり、早い段階でその効果を確認しておきたかったためだ。
フェラーリは新型フロントウイング、リアウイングを持ち込みマッサ車に装着してデータ収集。2012年型マシン用のコクピット視認性チェックなども行なっていたようだ。マクラーレンはイギリスGPから開発テストを続けている小型フラップを装着した新型リアウイングをブダペストでもトライ。ダウンフォースと最高速の両方が重要となるスパ・フランコルシャンに向けて、DRS効果の高いこちらをルイス・ハミルトンがテストしていた。
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『テクニカルファイル速報(2011 Rd.11 ハンガリー)』をどうぞ! 200戦目のレースで勝利を飾ったジェンソン・バトンのマクラーレンMP4-26のディテール徹底解説と速さの理由、オフスロットル排気騒動後のブロウンディフューザー全チーム比較を収録しています。
(text by Mineoki Yoneya / photographs by Wri2, La Vie Creative)