ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む

 

【2】パドックこぼれ話 〜F1ピープルが話してる旬な話題〜(2011年8月第5週)


2011-9-2 6:00

●ベルギーの挨拶は「バカンスどうだった?」
 3週間のサマーブレイクから明けて最初のグランプリ週末とあって、会って一言目は「バカンスはどうだった?」が挨拶代わり。我々日本の人間はこれといったバカンスも楽しんでいなかったりするのですが、さすが欧米人は違います。長い休みの間、完全に仕事を離れて南欧や北米に行って楽しんできた様子。FOTA紳士協定で2週間もファクトリーが完全閉鎖されるだけに、休みやすくなったのもその理由のひとつでしょう。

 なぜこのクソ暑い夏にわざわざ暑い南欧なんかに行くのか? 我々の感覚ならそう思ってしまいますが、多くの関係者が暮らすイギリスは「もう冬の気配がしてるよ」と某チーム関係者。確かに気温は10度台前半で、8月とは思えない低さ。そりゃ眩しい太陽を求めてスペインあたりに行きたくなりますね。

●スパウェザーの犠牲者?
 シーズン再開となるスパは、スパウェザーで知られる場所。放っておいても雨や寒さは充分に味わえます。木曜こそさほど雨も降らず、気温も20度以上になったものの、金曜からはしっかりと冷え込んで雨まじり。ダウンジャケットを持ってきている関係者もいるくらいですから。

 途中から雨になった金曜フリー走行では、ルイス・ハミルトンが高速のブランシモンでアクアプレーニング。ヒヤリとする場面でしたが、BBCで解説をしているアンソニー・デビッドソンが笑わせてくれました。すぐさまピットインしたハミルトンを見て、「ああ、タイヤを交換しにピットインするね。それとおそらく、パンツもね!」。ほんとにパンツの交換が必要だったかどうか、それはご想像にお任せします(苦笑)。

●お粗末な20周年セレモニー?
 ここでF1デビュー20周年を迎えたミハ様は、土曜の夜に記念セレモニーを敢行。しかしあのメルセデスGPのモーターホームでやったもんだから、ドライバーや関係者や報道陣やらでごった返してもうぐちゃぐちゃ。歴史を振り返る映像を流したり、スピーチがあったり、ケルンの地ビールを樽から振る舞ったりといろいろやってたみたいだけど、後ろの方からは何も見えないし、後から来たF1ドライバーも中に入っていけなくて立ち往生しちゃうし。

 結局、本当にお祝いしようというものじゃなく、外向きの「見せる」ためのイベントなんですよね。ハンガリーでやったジェンソンの200戦記念パーティの時は、こんなふうになるのがイヤだからチーム側から「カメラマンお断り」のお達しが出て、おかげで和やかな雰囲気だったわけで。でも今回はカメラマンがズラーッと取り囲んじゃったもんだから、スペースもなく、前も見えず……。このへんが本当にお祝いしたいかどうかのメンタリティの違いであり、一流チームと二流チームの違いでもあり。メルセデスとミハ様の勝利はまだまだ遠いなと感じさせられた夜でありました。

●薄氷を踏む思いだったレッドブル
 土曜日から一気に紛糾したのが、キャンバー問題。予選Q3で初めて本格的にドライで走ってみて、フロントタイヤにブリスターが発生することが分かり、その原因がキャンバー角のセッティングだということに。あまり攻めすぎるとタイヤを壊す恐れもあるわけで、レッドブルがピレリからの推奨値を守っていなかったため、両者の間で話し合いが行なわれることに。まぁ、内圧を推奨値以下に下げていてパンクさせたチームもあったわけですが、それはホ●ダ時代からあのチームの伝統ですね(苦笑)。

 決勝前にはセバベとピレリのマリオがレッドブルのエナジーステーション前で激しくやり合う姿が目撃されたわけですが、チームも実は薄氷を踏む思いだったんだとか。ピレリからは「ピットスタートにしてキャンバーセッティングと内圧変えれば?」と言われ、安全性を理由にした特例も許されず、不安を抱えながらのレースをなんとか走り切った後、ニューウェイさんは「今まででいちばん恐ろしかったレースのひとつだった」と吐露していましたよ。

 まぁ、ケメルストレートエンドのオンボード映像を見ると、タイヤのショルダーがかなりうにょうにょとスタンディングウェーブ現象が起きていて、かつてのインディアナポリスを彷彿とさせてドキドキしましたが。こうなるとさらに高速のモンツァが恐いですが、さすがにピレリも地元モンツァではテストも充分にやっているでしょうし、大丈夫であることを祈りましょう。

(text and photo by Mineoki Yoneya)

*******************************************
【2】パドックこぼれ話 〜F1ピープルが話してる旬な話題〜
パドックのF1関係者たちの間で話されている旬の話題とは? 真面目な話からバカ話まで、他では知ることのできない彼らの本音を、生々しくお伝えします。TV中継では映らない“コース外”の様子、雑誌や普通のウェブサイトには書けない実状を、お楽しみください。
*******************************************


お知らせ
『F1 LIFE』ストア会員の皆様に配信されるメールマガジン『アプレゲールですいません』より、そのコンテンツをお届けしています。最新のコンテンツをお楽しみになりたい方は、会員登録いただき、毎週配信されるメールマガジンをご覧ください。ここでしか読むことのできない、現地からのナマ情報が満載です(2011年9月より配信予定)。

ストアの会員登録は、下記からどうぞ。
https://www.f1-life.net/store/customer/account/login/

ページの終端です。ページの先頭に戻る