●“通常の範囲内”のブリスターって？
　金曜から盛大にブリスターが出ていて、ピレリのエンジニアも各チームのエンジニアも、結構深刻な表情でタイヤのイン側をチェックしていました。中には、イン側ショルダーの部分まで設地した後があるタイヤもあったり。金曜の時点では、キャンバーのセッティングもまだ攻めた状態だったんですかね。130Rやスプーン、逆バンクなど、長い高速の左コーナーで、左側タイヤのイン側にはかなり引きずられることによる負荷がかかってたようです。

　ただ、ピレリのエンジニアによれば「ブリスターは出てるけど、通常の範囲内のものだから大丈夫」とのこと。ブリスターが出ても大丈夫っていうのがにわかには信じがたいけど、マクラーレンの今井さんも「摩耗さえ問題なければ大丈夫ですよ」とのこと。マクラーレンも金曜は右フロント以外はバリバリ出ていたそうですが、結局大きな問題にはなりませんでしたね。

　鈴鹿はデグラデーション、つまりグリップ性能の低下が大きくて、ゴムが摩耗してなくなるよりも前にグリップ低下でタイヤの寿命が来てしまうので、ブリスターはさほど大きな問題にならなかったようです。

●バーニーパペットに秘められた思い
　ガイジンからすると思いっきり日本的な文化ってことになるのでしょうが、日本のユーロスポーツさんが企画・製作したバーニー・エクレストンのパペット人形が大人気。ガイジンジャーナリストも面白がって、メディアセンターには日に日にバーニーが増えていきました（笑）。

　バーニー公式グッズなんて史上初めてのことです。これが実現したのは、震災復興支援のため。チャリティ目的ならいくらでも協力する、というバーニーさんの嬉しい意向によるものだったそうです。バーニー公式で、シャツにF1公式ロゴがしっかり入ってるのもすごい。結局、可夢偉やシューマッハを押しのけて、バーニーが売り上げナンバーワンだったそうです（笑）。さすがバーニー！ まだまだ現役！

●大健闘のチケット販売
　日曜日の入場者数は、昨年とほぼ同じの10万2000人。ブリヂストンがいて7000枚のお買い上げがあったことを差し引けば、むしろ今年の方が伸びているとすら言えるわけです。可夢偉の予選の頑張りと好天で、駆け込み需要も結構あったみたいだし。

　海外のグランプリでこんなにお客さんが入るところなんてほとんどないし、コースサイドにあれだけ観客スタンドがズラ〜っとあって、なおかつそれがどこも人で埋まってるなんて、正直ここ数年じゃ鈴鹿以外にはないですよ。本当にすごいことだと思います。

●こんな人も超有名でした
　BBCラジオの解説をやっている、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソン。ホンダ、SAF1とずっとやってきたこともあり、今年も日本では大変な人気だったらしい。ファンからの声援がすごくて、パドックからグランドスタンド上のコメンタリーブースに行くのもファンに囲まれちゃって危ないってことで、なんと専属のボディガードまでつく始末！（本当はただのサーキットの人）

　「シルバーストンよりも有名なくらいだよ！ SAF1で走ってたおかげだね」とアント。こうやって日本のファン熱狂的説がどんどん広まっていくのです。

（text and photo by Mineoki Yoneya）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
パドックのF1関係者たちの間で話されている旬の話題とは？ 真面目な話からバカ話まで、他では知ることのできない彼らの本音を、生々しくお伝えします。TV中継では映らない“コース外”の様子、雑誌や普通のウェブサイトには書けない実状を、お楽しみください。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


お知らせ
『F1 LIFE』ストア会員の皆様に配信されるメールマガジン『アプレゲールですいません』より、そのコンテンツをお届けしています。最新のコンテンツをお楽しみになりたい方は、会員登録いただき、毎週配信されるメールマガジンをご覧ください。ここでしか読むことのできない、現地からのナマ情報が満載です（毎週火曜日配信）。

ストアの会員登録は、下記からどうぞ。
https://www.f1-life.net/store/customer/account/login/