●ほとんどのドライバーは、本当のインドを見ていない? インドGPの会場となるブッダ・インターナショナル・サーキットは、デリーの街から50kmほど離れた郊外の、だだっ広い平地にあります。周りには運営母体であるジェイピーグループが推進するスポーツレジャー施設などの開発が予定されていますが、まだまだこれからといった様子。
我々が想像するいわゆる“インド”といった風景は、デリーの街中の風景であって、サーキット周辺にはほとんどありません。F1ドライバーやチーム関係者は、渋滞や街でのトラブルなどを嫌って、サーキットから15分ほどのところにあるグレーターノイダのホテルに宿泊。そこから外には出歩かず、毎日ホテルとサーキットの往復をするだけという生活にしていました。正直、これではインドを肌で感じたとは言えません。
しかしその中でも、セバスチャン・フェッテルはクルマで片道5時間はかかるというタージマハルに行ったんだそう。道がでこぼこで、居眠りなんかできなかったと苦笑いしていましたが、そういう経験もしただけに、インドの生活レベルや人々のフレンドリーさには「目を開かされるところがあった」と語っていました。
●“デリー腹”の心配しすぎ とにかく心配された“デリー腹”を避けるため、どのチームも食事には非常に気を遣っていました。基本的にはサーキットの自チームホスピタリティとホテルのレストランしか使わず、各チームのホスピタリティにはミネラルウォーターが供給され、中にはホスピ責任者の名前で「我々はあらゆる調理にミネラルウォーターを使用し、頻繁に定期的に洗浄も行なっています」と安全宣言の張り紙を出すところも。
その甲斐あって、今年は特にこれといった“デリー腹“の報告はなし。みんなが気を遣いすぎるくらいに気を遣った結果、あまりに普通な週末となったわけです。
●インド人を馬鹿にするヨーロッパ人 一応、英語が公用語となっているとはいえ、欧米人にとってインドはやはり下に見えるようです。BBCはインド人がどのくらいF1を知っているかという街頭インタビューを行ない、「F1って何それ? ポストカード?(ファストカーを聞き間違い) 何のことだ? デリーでやるなんて知らないよ」といったような、やや悪意の感じられる引用の仕方で報じたりしていました。
初走行セッションとなった金曜日には、マーシャルからの注意が弱いのを良いことに、立ち入り禁止区間に入ったカメラマンがいました。これもインド人マーシャルを甘く見ていたためです。あとで報告を受けたFIAによって彼はパスを切られ、今シーズンはもう現場に来られなくなってしまいましたとさ……。
(text and photo by Mineoki Yoneya)
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