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バルセロナ最終テスト

ついにレースシミュレーション開始!

2013-3-3 17:10


 3月2日、バルセロナで行なわれている最終の合同テストでは、3日目にしてようやく好天に恵まれ、複数のチームがレースシミュレーションを行なった。

 前回のテストではタイヤ理解とそれに対するマシン側の熟成の遅れから、レースシミュレーションを敢行できるチームはまだ少なく、本格的なシミュレーションを行なったのはレッドブル、ロータス、ウイリアムズのみにとどまった。

 今週の最終テストでも2日目までが雨に降られたため、純粋なレースシミュレーションは見られなかった。しかしテスト3日目の3月2日になってようやくドライ路面の走行となり、ザウバー(グティエレス)、フォースインディア(スーティル)、トロロッソ(ベルニュ)の中団3チームがシミュレーションを行なった。



 スーティルはソフトタイヤで1分31秒代後半からスタートし、1分36秒台まで落ちた9周目に1回目のピットストップ。第2スティントもソフトで1分33秒代後半から1分36秒台まで落として11周目にピットイン。第3スティントはミディアムで1分30秒代後半から32秒台で安定したペースで走り14周でピットイン。第4スティントはハードで1分29秒代後半から32秒代前半で15周、最終スティントはハードで1分27秒代後半から30秒台中盤のペースで18周を走り切った。

 ソフトタイヤで走った第2スティントまでは1分36秒台まで落ちるなどデグラデーションが大きかったが、ハードタイヤでは非常に安定したペースを刻んで、4回ストップで走り切っている。



 ザウバーはソフトタイヤの第1スティントが1分31秒台中盤からスタートしたものの、デグラの進行は速く、すぐに36秒台まで落ちる。ハードを履いた第2スティントは31秒台前半から33秒台まで落ち、そこから31〜32秒台に戻すなど安定している。1分30秒台からスタートした第3スティントで走行をやめてしまったので、その後の推移は分からない。

 新人グティエレスの走行ということもあり、これを比較対象として用いるのは適切ではないだろうが、それでもフォースインディアを上回るペースでの走行を見せている。



 トロロッソのペースはハードタイヤで1分31秒前後からスタートしており、フォースインディアに比べても速い。さらにデグラも小さく32秒台の安定した走りで14周を走破している。第2スティントは31秒〜32秒台、第3スティントは30秒台から32秒台、第4スティントは28秒台から32秒台、最終スティントは30秒台から32秒台と、同じ4回ストップだがデグラデーションについてはこちらの方が圧倒的に優っていることが分かった。

 1発の速さではフォースインディアに分がありそうだが、レースディスタンスではトロロッソの巡航ペースの速さと安定感が目立っている。むしろフォースインディアのソフトタイヤでのデグラデーションの大きさが目立つ。

 今季はマシン重量が重いレース序盤にソフトを履くと不利が大きいのかもしれない。すると、予選Q3に進むことの意義も含めた予選・決勝を一体で考える戦略の重要性が増すかもしれない。

 上位勢はまだレースシミュレーションを見せず、独自のデータ収集を続けている、メルセデスAMGが他を圧倒するベストタイムを叩き出しており、フェラーリがセッション終盤になって何度かアタックシミュレーションを行なったにもかかわらず、歯が立たなかった。もちろん後者は実力を隠すためにある程度の燃料を積んでいる可能性が高いが、昨年の予選タイム1分21秒707を大きく上回る今季最速タイムを出す力がメルセデスAMGにあることは事実だ。侮ることのできない存在になるかもしれない。







(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)


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