ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む

 
チャベス大統領が死去

マルドナドとウイリアムズに与える影響は?

2013-3-6 15:18


 3月5日、かねてから闘病中だったベネズエラのウゴ・チャベス大統領が癌で死去した。これに伴い、同氏の肝煎りで大規模な資金的支援を受けるパストール・マルドナドのシートにも懸念の声が上がっている。

 ウイリアムズのスポンサーとして40億円規模の資金的支援をしているPVDSAは、ベネズエラの国有石油会社であり、同国の外貨収入の大部分を稼ぐとともに、チャベス大統領が強い指導力で中南米の社会主義国に石油を輸出するなどしてきた。PDVSAは5日、即座に「業務は通常通り行なっている」との声明を発表している。



 大統領の死を受けてベネズエラでは30日以内に大統領選挙が行なわれるが、チャベス派を引き継ぐと見られるマドゥロ副大統領が勝利すれば社会主義政権が維持され、PDVSAなどの運営方針にも変化はない。地元メディアによると、現時点では与党側が優勢だと報じられている。しかし2012年10月の大統領選挙ではこれまで分裂していた野党が一致団結して対抗勢力となっており、今回の選挙でもその行方は予断を許さない。

 仮に野党が勝利し自由主義の新政権が誕生した場合、世界最大の石油埋蔵量を誇るとされるベネズエラのPDVSAには石油メジャーが群がり、F1などへの支援方針にも影響が出る可能性もある。2月8日には通過の32%切り下げを行なっており、ポンド建てで契約されているはずのウイリアムズとのスポンサー額も実質的に3割増の負担となるだけに、なおさらだ。

 ウイリアムズにはバルテリ・ボッタス加入の追い風でフィンランドからのスポンサーも参入しているが、もしベネズエラからの入金がなくなれば財政的にはかなり厳しい状況となる。すでに契約済みの2013年については問題となる可能性は低いだろうが、2014年に向けて新たなスポンサー探しが必要になる可能性もある。マルドナドにとっても、速さだけでなく結果を残す力を証明しなければ、2014年以降のシート獲得は難しくなるかもしれない。

 いずれにしても、かねてから資金難に苦しんでいるウイリアムズとしては、大統領選に絡んでベネズエラからの入金が遅れるとなると好ましい状況ではない。4月1日のFOM分配金の支払までは財政的に苦しい状態が続くだろう。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Williams)


ページの終端です。ページの先頭に戻る