フォースインディアがメルセデス・ベンツとのエンジン供給契約を延長し、トロロッソがルノー・エンジンへの移行交渉に入っている今、2014年以降のフェラーリ・エンジンはどうなるのだろうか。
フェラーリ・エンジンは現状でも年間フィーが他メーカーの1000万ユーロに対して1200万ユーロと割高な上、新型エンジンとなる2014年には金額が2倍になると言われている。つまり約29億円だ。パワー不足は新規定で解消されるかもしれないが、ギアボックスのシフトラグの大きさは改善される保証はない。高価でなおかつ性能面で劣るというのでは、使いたがるチームが減るのは仕方のないことだ。
コスワースは今季限りでの撤退が決まっており、マルシアはフェラーリ・エンジンを使用することになるだろう。フォースインディアと同様に、KERSやギアボックスまで含めた技術提携を結ぶことになるはずだ。ジュール・ビアンキ起用、マックス・チルトンの資金力があれば、問題はないだろう。
問題はザウバーだ。現状のままであればフェラーリ・エンジンの使用は資金面で非常に重くのしかかる。しかしザウバーはBMW時代からギアボックスのインターナル技術を外部に頼ってきており、フェラーリ以外のエンジンにスイッチする場合は代替のギアボックスが必要になる。
いずれにしても、遅くとも2014年型マシンの基本設計を固めなければならない5〜6月までにはエンジンを決定する必要がある。寸法という物理的な問題だけでなく、パワー特性によって空力面の設計コンセプトも変更しなければならないからだ。2014年に向けて、残された時間はもう多くはない。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Ferrari)