4月21日、バーレーンGP決勝はセバスチャン・フェッテルが優勝を飾った。マレーシアGPに続いて今季2勝目であり、今回は完璧な独走劇となった。
予選では圧倒的な速さを誇ったのはメルセデスAMGのニコ・ロズベルグだったが、決勝では3周目に早くもフェッテルにオーバーテイクされる。リアタイヤのデグラデーションの速さは明らかで、フェルナンド・アロンソやポール・ディ・レスタなどに次々に追い抜かれていく。
アロンソは7周目にDRSが壊れ、フラップが開いたままになるトラブルに見舞われる。ピットインしてタイヤ交換と同時にフラップを戻すが、8周目にDRSを作動させると再び閉じなくなり、続けて2回目のピットストップ。大きく後退し、その後もDRS無しでの戦いを強いられ大きな不利を背負ってのレースとなった。
ライバルが消えていったフェッテルは、後続に大きな差を付けペースをコントロールしながらの走り。悠々と今季2勝目を挙げた。
2位争いは2ストップ作戦のキミ・ライコネンとポール・ディ・レスタ。ディ・レスタはスタートからこの争いをリードしてきたが、ライコネンが34周目に2回目のピットストップに向かったのに対し、フォースインディアは残りの周回数も考えて36周目まで引っ張り、ハードタイヤに交換。2位争いは諦めて確実に結果を取りに行くための決断だったが、3回ストップ作戦のロマン・グロージャンが最終スティントに新品のミディアムタイヤを履いてハイペースで追い上げることまでは予測できず、52周目にオーバーテイクされて4位に終わった。
終わってみれば最速レッドブル、タイヤ戦略に長けるロータスという、これまでの勢力図がそのまま反映される結果となった。フェラーリがDRSトラブルとタイヤトラブル(デラミネーションとパンク)で後退しなければどのような結果になったのか、非常に興味深いところだ。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)