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何がどう変わる? 2013年レギュレーションの変更点をチェック


2013-1-8 2:24


 2013年はマシンのテクニカルレギュレーションが大きく変わらないため、見た目も勢力図も変化は小さいと思われています。

 しかし、実際にはいくつかのレギュレーション変更が予定されています。その変更点と、それがどんな影響を与えそうかをチェックしておきましょう。





DRSの使用はDRSアクティベーションゾーンのみに
 フリー走行、予選でもアクティベーションゾーンのみでしか使えなくなります。一応は安全上の理由とされていますが、各チームはこれでギアレシオとかウイングなど、最高速に影響するセットアップで悩みが減りますね。各チームにとってポジティブな変更です。

 まぁ、ほとんどどのドライバーも最近では決勝重視で、予選でリミッターが当たるのは無視しているような状態でしたが。




ダブルDRS禁止(ドライバー作動によりリア翼端板の穴から気流採り入れ方式)
 影響を受けるのはメルセデスAMGとレッドブルだけですね。他チームにとってはこれもプラスの変更。おそらく一部のチームはロータス型のパッシブ式ダブルDRSを検討しているはずです。




ステップドノーズにラミネートカバー(バニティパネルの取り付け可能に)
 これのおかげで見た目は変わります。

 複雑な仕掛けができないよう、1パーツで、曲線の最小半径なども細かく規定されています。が、F1エンジニアならどうにかして抜け穴がないか考えてるはずです(苦笑)。

 装着は義務ではないので、見た目がステップドのままでいいと思うなら、付けてこないチームもあるかもしれません。モノコックとノーズの高さの間に段差があることには変わりないので、カバーを付けてもカッコ悪いかもしれませんしね。




クラッシュテスト強化(基準強化、全個体に静止荷重試験を義務化)
 開幕前に1号車モノコックだけでよかったクラッシュテストが、全モノコックに義務化ということで、チームとしては新造モノコックの投入が面倒になりますね。

 ですが、最近はそんなに大量にモノコックを作ることもないので(上位チームでもせいぜい6〜7個、下位なら3〜4個)、あまり影響はないでしょう。実際にぶつける動的試験ではなくて、静止荷重テストのみですし。




夜間作業禁止(木夜は8時間に増加、猶予は2回に)
 2012年は思ったほど作業禁止破りがなかったですからね。アブダビでフェラーリが2夜連続でやりましたが、実はあれ、うち1日は規則のことをよくわかっていなかったH島さんがまだ禁止時間中の昼前に来てピポっとやっちゃったせい(苦笑)。

 夜間作業の有無は、パドック入口の電子ゲートを通った時間でチェックしているんです。なので、作業解禁時間の直前にはパドックの入口にメカニックたちの大行列ができてます(笑)。行列が動き出すのは解禁時間だけど、列の後ろのほうになると待つ間に数分ロスします。




フレキシブル・フロントウイング規制(静止荷重試験の基準強化)
 某RBチームなんかはいまだにフレキシ疑惑があるということで、荷重をさらに強化。中央から790mmの位置に1000Nの荷重をかけ、変形が10mm未満でなければなりません。

 今の幅広ウイングの形状からすると、物理的にこれ以上合成を上げるのは結構厳しいらしいですが……。フレキシを狙ってなくても、このテストで引っかかるチームなんかが出てくるかもしれません。シーズン序盤はその可能性もありますね。




最低重量642kg(640kgからタイヤ重量増加のため)
 こんなところから、タイヤが重たくなってることが判明しましたね。コンストラクションが変わるから、重量変化も当然かもしれません。

 重たくなったということは、剛性が上がっているのかもしれませんね。ブレーキング時のタテ荷重に弱いっていう不満は根強いですからね……。




予選時にピットに戻れなかった場合、サンプル採取用1kg+ピットに戻るだけの燃料残量が必要
 スペインGPのハミルトン、アブダビGPのフェッテルですね。ある意味当然だったことが、明文化されたというだけのことです。




予選(出走台数減少のため、Q1で6台、Q2で6台が減る方式に)
 Q1で17位〜22位、Q2で11位〜16位、そしてQ3で1〜10位が決まるノックアウト方式になります。

 Q1で落ちるのが下位2チーム+2台ということで、Q1から争いはさらに熾烈になりそうです。早い段階でオプションタイヤを投入ということになりそうです。




エントリー料金(50万ドル+5000ドル/1ポイント。チャンピオンチームのみ50万ドル+6000ドル/1ポイント)
 2012年王者のレッドブルは500,000+6,000×460=326万ドル(約2億8500万円)。ランキング2位のフェラーリは250万ドル(約2億1500万円)。10位と11位のケータハムとマルシアは無得点だったので50万ドル(4400万円)。

 1レースで1位〜10位まで合計101ポイント。20戦で2020ポイント。てことはポイントだけで少なくとも年間1000万ドルの収入です(実際にはチャンピオンチームのエクストラが加わります)。それに加えて基本料金の50万ドル11チームで550万ドル? 両方合わせて13億円超が確定?

 FIAもお金がかかっているとはいえ、ちょっと取り過ぎでは?

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)



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