ロシア政府系ファンドと契約を交わしたザウバーには、1億7000万ドル(約170億円)規模の投資がもたらされたという。
これはザウバーが抱えていた数十億円規模の負債を帳消しにし、滞っていたニコ・ヒュルケンベルグやサプライヤーに対する支払を履行し、来季に向けた開発も含めた今シーズンの活動を可能にして余りある額だ。
モニシャ・カルテンボーンは「チームを売却したわけではない」とロシアのファンドによるチーム買収を否定している。当日にはカルテンボーン代表からチームスタッフに今シーズンの活動が確実になったことが報告され、拍手が起きたという。
この巨額の資金がどのような目的を持ってもたらされたものかは明らかではないが、ロシア政府系ファンドの活動がロシア政府、つまりウラジミール・プーチン大統領の意を受けたものだとされている。2014年のソチ・オリンピックに加えてロシアGP開催、そしてF1への参入を、世界的アピールの場と考えて国家的事業として推進しているのかもしれない。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)