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マクラーレンを巡るディ・レスタとペレスの関係の裏側


2013-1-17 22:40
 


 ディ・レスタが「自分もマクラーレンと接触していた」「ペレスは持ち込みで決まった」などと話していますが、そんなことは今さら言わなくても誰もが知っていることでしょう。

 周知の通り、ディ・レスタはメルセデスの支援下にあるドライバー。だからメルセデス・エンジンを使用するフォースインディアは彼を乗せているし、マクラーレンも当初は2013年に向けてディ・レスタ獲得のための交渉をしていました。

 かつてはメルセデスがチーム株式を保有するなど、メルセデスとマクラーレンの間には強固な関係がありました。しかし自チームを設立して以来、両者の関係は希薄化の一途を辿っていました。マクラーレンとしては、エンジンが大きく変わる上にボーダフォンとのタイトルスポンサー契約が満了する2014年に向けて、もう一度関係を強固にしておく必要があったのです。だから、ウィトマーシュはディ・レスタ獲得に懸命に動いていた。

 しかし、ハミルトンからのチーム離脱の連絡に激怒したロン・デニスが、セナの時代から旧知のジョー・ラミレスとのつながりからペレスに興味を示し、たった2日で決めてしまった。ウィトマーシュからすれば、これまで用意してきたものを全て引っ繰り返されたかたちになったものの、会長の鶴の一声には逆らえず、むしろペレス獲得で2014年以降に向けてテルメックス獲得に動くことでチームの基盤確保に努めるという方針に軌道修正したのが、この2日間のこと。

 ペレスとしても、すでにザウバーからは契約延長のオプションは行使しないことが通達されていて、突然後がなくなり焦っていた時に、大逆転満塁ホームラン。一方ディ・レスタはマクラーレンに移るはずだったのにフォースインディア残留。そりゃ恨み節のひとつも言いたい気分も分からないではない。

 しかし、ペレスがテルメックスのお土産付きであるのと同じように、ディ・レスタもメルセデスという傘があったからこそマクラーレンからの引き合いがあったことも事実。

 こうした企業的バックアップがいわゆる"持ち込み"と呼ぶかどうかは人それぞれでしょうが、ごく一部のチーム(要するにレッドブルとフェラーリ)だけを除いて昨今の各チームは資金であったりエンジンメーカーとの関係であったりという要素の獲得がドライバー選択と切り離すことができなくなっているという厳然とした事実があるのです。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)



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