7月26日、
ハンガリーGPの
フリー走行が行なわれ、2回ともに
レッドブルが1-2タイムを記録した。しかしロータス勢、フェラーリ勢も僅差で続き、一発タイムで好調を続けていたメルセデスAMG勢はシルバーストン・テスト不参加の影響からかやや出遅れた格好となった。
今回から新型タイヤが投入されたが、まずは各チームともこれの本格的なテストとセッティングの煮詰め作業を行なう。しかし路面はダスティで、各車ともアンダーステアに苦しめられた。
タイヤ特性については従来型と
さほど変わらないというコメントもあるが、今季型タイヤの特徴のひとつであった
熱ダレは小さくなっているようだ。しかしセットアップ面ではかなり異なると捉えているチームもある。
気温30度、路面温度40度と暑くなった金曜のハンガロリンクでも、
ミディアムタイヤはほとんどデグラデーションがなく、摩耗の限界まで安定したペースで走ることができそうだ。マーク・ウェバーは10周目以降は1周ごとに0.5秒ほど遅いクールダウンラップを挟みながら、
22周ものランを完走している。
しかし
ソフトタイヤは10周も走らないうちにタイムが大きく低下する傾向を示している。
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決勝をシミュレーションしたFP-2のロングランでは、セバスチャン・フェッテルは2周目に0.4秒、5周目には1.7秒もラップタイムが低下しているものの、12周を走っている。フェルナンド・アロンソは、3周はノーデグラで4周目から徐々に低下し始め、8周目に突然1秒落ちている。ロータス勢も3周目には大きくタイムが落ちる。
注目のメルセデスAMG勢は、2台でタイヤの使い方を分けてシミュレーションを行なっている。ニコ・ロズベルグは1周目にプッシュし、2〜3周目はクールラップ、すると5周目までは1秒落ちのペースまで戻るが、6周目にはさらに0.8秒も低下する。ルイス・ハミルトンは1周目を抑えて走り、2周目からプッシュ。すると4周目に1秒、6周目には1.5秒、9周目には完全に落ちてしまう。このままでは決勝の4周目には大きなペース低下に見舞われ、これまでと同じような展開になってしまいそうだ。
今回からピットレーンの速度制限が100km/hから80km/hに引き下げられており、
ピットストップのタイムロスは格段に大きくなる。ピットストップ回数を減らすことができれば、大きなアドバンテージになる。土曜日以降のセットアップ調整と路面のラバーインによってソフトタイヤのデグラデーションがどれだけ改善するか、決勝に向けて見どころになってきそうだ。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2, Red Bull)