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【イタリアGP金曜レポート】

モンツァでギアボックスのトラブル多発の理由

2013-9-7 2:57


 FP-1ではニコ・ヒュルケンベルグ、FP-2ではフェリペ・マッサが相次いでギアボックストラブルに見舞われた。

 ヒュルケンベルグは3速にスタックしたままシフトチェンジができなくなり、一旦ピットに戻って再度コースインしようとしたものの、やはり1速からシフトアップができなかった。マッサは第1シケインの立ち上がりで1速から2速にシフトアップしようとしたら3速にジャンプしてしまったためピットに戻り早めに走行を切り上げることになった。

 また、FP-1でケータハムをドライブしたヘイキ・コバライネンは、ハードブレーキング時のシフトダウンが上手くできないというトラブルに見舞われた。ECUが電子的に判断してシフトチェンジを拒否したためだ。

 今のF1のギアボックスはクラッチオフの時間を極限まで短縮するシームレス機構を備えており、ギアとギアのバックラッシュ(隙間)を使った非常に繊細な制御をしている。その制御にズレが生じるとギアボックスが壊れてしまうため、各チームはダウンシフトマップと呼ばれる設定を変えることで調整を行なっている。



 モンツァは実はギアボックスに厳しいサーキットとしても知られる。超高速のモンツァでは、第2シケインのロッジアやターン8〜9のアスカリで縁石をアグレッシブに越えていかなければならない。その際の衝撃でギアボックスにトラブルを抱えるケースというのが意外と多いのだ。その他、サスペンションやドライブシャフトなどメカニカル面のトラブルも多い。

 超高速サーキットのモンツァは、スピード勝負と思われがちだが、最高速が速いマシンが勝つわけではない。縁石の乗り越えが得意なマシンが大きなアドバンテージを持っているのだ。

 金曜日のギアボックスは5戦連続使用義務の対象ではなく、いくら壊れても構わないが、土曜日以降は5戦連続で使用するギアボックスに載せ替える。土曜日以降にトラブルが出て交換となればグリッド降格ペナルティの対象となるため、取り扱いにも注意が必要になってくるのだ。

(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)


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