シンガポールGPの週末を迎えた
マリーナベイ・サーキットの、コース上の様子をチェックしておこう。
まず
路面は公道だが、ほとんどがF1用に舗装されており、以前のようにバンピーではなくなっている。今年はターン1の手前からターン3までや、ターン5出口、ターン8〜9、改修されたターン10、ターン14が新舗装となっている。
やや黄色く見える部分は、ブラシで削られた跡。こうして舗装し立ての路面からにじみ出るオイルを拭き取っている。
公道ではなく特設部分であるメインストレート周辺は、白いアスファルト。白い石が構造材として使用されているためだ。ナイトレース用の人工照明を当てると白く綺麗に映る効果がある。
縁石はセクター1のみ常設。ターン1のような低速部分にはカット防止のためのソーセージが縁石のイン側に設置されている。ターン3も同様だ。
ターン2の縁石は掘り下げ式で段差がやや深い。そのイン側にはやはりカット防止のソーセージが設置されていて、こちらはターン1とは違って縁石の外周に沿って長く設置されているもの。ターン1を攻めすぎてターン2でワイドに広がると、フロアをヒットしてダメージを負ってしまう可能性もある。
それ以外の縁石は特設で、縁石というよりも赤と白の樹脂製プレートを並べたもの。それぞれの間に段差はない。以前は重ねて段差にしていたが、走行セッション中に外れるなどの問題が起きたため、フラットな縁石に置換されている。
ランオフエリアはもちろんターマック。セクター1や90度コーナーには直進できるランオフエリアがあるが、それ以外の箇所はランオフエリアがなくコンクリートウォールという場所も少なくない。
改修されたターン10は高速だがランオフエリアはなく、TecProというプラスチック製のクラッシュバリアが何重にも設置されているのみ。衝撃吸収という安全上の観点では問題ないが、僅かなミスが大クラッシュに繋がる可能性がある(写真のクラッシュバリアはターン5)。
イン側はコンクリートウォールがエイペックス付近まで伸びており、さらにイン側に曲がり混んでいて、ブラインドコーナーになっている。シケインから高速コーナーになったことで、シミュレーション上はラップタイムが1秒ほど速くなっているというが、ドライバーの腕と勇気が問われるコーナーになりそうだ。
(text and photo by Mineoki YONEYA)