セルジオ・ペレスのフォースインディア入りが決まったが、これはマクラーレンからのプッシュが大きかったようだ。
マクラーレン離脱が決まった1週間後のブラジルGP前の時点では、ペレスはフォースインディアとまだ接触していなかった。木曜日の時点で本人は「ザウバー出戻りが最大の選択肢のひとつ。フォースインディアも選択肢のひとつではあるけど、彼らとはまだきちんと話はしていない。F1で有力シートがなければインディも視野に入れている」と改めて話していた。
土曜日の時点でも、ペレスはマーティン・ウィトマーシュ代表と長々と話をしており、どちらかと言えばウィトマーシュから説得されるような様子。放出決定がここまで遅れたことで他チームとの交渉をする余地もほとんど残されていない状況に追い込んでしまったことに、責任を感じていた面もあったようだ。
フォースインディアはマクラーレンの関連会社マクラーレン・アプライド・テクノロジー社と技術提携契約を結んでおり、具体的にはマクラーレンの風洞やCFD施設を使用したり、一部技術の供与を受け、マクラーレン社のスタッフが現場でフォースインディアのウェアを着て働いていたりもする(マルシアも同様)。
しかし今季中盤からフォースインディアからマクラーレンへの支払が滞っており、技術の供与がストップされてしまったようだ。シーズン後半戦の突然の低迷は、タイヤの変更と来季への専念だけでなく、このマクラーレンとの提携ストップによる部分も大きかったと言われている。
そこでマクラーレンはこの技術提携を再開することを条件に、ペレスの起用をプッシュしたようだ。もちろんフォースインディアとしてはペレスの後ろ盾であるテルメックスとの契約も魅力的だろうが、メキシコからのスポンサーフィーの支払は過去何年にもわたって契約通りに履行されておらず、あまり期待できる状況ではない。フォースインディアにとっては、マクラーレンが過去の未払いを水に流してくれて技術提携を再開してくれることの方が魅力的だったのかもしれない。
(text by Mineoki YONEYA / photo by Force India)