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【ヘレステスト3日目レポート】

マッサ驚速タイム、しかし表情は優れず

2013-2-9 4:11


 ヘレス合同テスト3日目の2月7日、最速タイムをマークしたのはフェラーリのフェリペ・マッサだった。路面コンディションが最適となる12時台にソフトタイヤを履いてアタックを開始し、アタック1周目に1分17秒886を記録。コース上での挙動の見た目からして速かったそのアタックで、初日にジェンソン・バトンが記録したタイムを約1秒上回った。

 しかし、意外にもセッション後のマッサは不機嫌な表情。パドックでも随一と言われるほど感情が表に出やすい彼だけに、このタイムにも満足できていないのは明らかだった。というのも、初日にバトンが記録したタイムは、ハードタイヤでのもの。さらには路面がグリーンな状態で、なおかつマクラーレンは走り出しにトラブルを抱えており、これは走行開始直後のアタックでも何でもない状態で記録したもの。マッサは「あのタイミングで僕らにあのタイムは出せなかった」と負けを認めている。

 なお不機嫌だったのは、赤旗にこそならなかったものの、途中でスピンを犯してマシンにダメージを負い、自身の走行最終日となるこの日に予定していたプログラムを全て完了できなかったことも理由のひとつだったようだ。

 今回の路面コンディションでは、ワーキングレンジに当たっているソフトタイヤの威力が強く、マッサのようにソフトタイヤを使ってアタックをすれば一発の挙がり幅は大きい。その一方で、路面の粗さに起因するデグラデーションも大きく、次の周には1秒単位でタイムが落ちていく。ラップタイムだけの比較はほとんど意味がないという状況だ。



 この日は王者セバスチャン・フェッテルが初登場とあって、レッドブルの周囲には報道陣が詰めかけた。それに呼応するようにレッドブルの側もマシンを撮らせまいとして警戒態勢を敷いた。フェッテルは1.2秒遅れの3番手タイムを記録したが、セッション終了後の表情は厳しく、冴えなかった。

 2日目までトラブル続きでほとんど走行できなかったメルセデスAMGは、この日は午前中からロングランを行ない、ニコ・ロズベルグが150周近くを走行。2番手タイムを記録し本人も「マシンは間違いなく去年より良くなっている」と即答するなど充実の1日となった。

 この日は気温は15度、路面温度は24度とやや低めのコンディション。11時24分にシャルル・ピック(ターン2〜3)、15時1分にジャン・エリック・ベルニュ(ピット出口)、16時54分にはバトン(ターン7〜8)がマシンを停めて赤旗となったが、大きな事故は起きない静かな1日だった。



(text by Mineoki YONEYA / photo by Wri2)



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